「オー!ハッピィデー」

ここまでするか!


  

翌日は韓国の作品を二本。いずれも新作。ほんまにありがたいことです。
まず「オー!ハッピィデー」。これは今年のゴールデンウィークにソウルで観た映画。その時にはこの映画を日本で、しかも字幕付きで観ることが出来るなんて思っていなかった、それどころか「オー!ハッピィデー」は日本での上映の可能性が最も低いとさえ思ったんだけど...。

座席はほぼ9割埋まっている。凄いなぁ。
そんなに難しくないコメディなので、字幕があっても無くてもそんなに印象は変わらない。だけど、日本のお客さんは感情の表現がまだまだ控えめ。福岡ではまだましだけど、それでも場内が沸くのはソウルの1/5程度かな。まぁもちろん言葉の壁はあるんだけどね。

ストーリーそのものは他愛のないものだけど、この映画の凄みはチャンナラというタレントの根性(サービス精神)。
普通、年頃の、それも売れっ子のタレントが「ここまでするか!」。当たり障りのない演技に終始しても不思議ではないけどね。特に飲みすぎで「痔」を患うエピソードには驚いた。
監督さんは否定していたけど、「猟奇的な彼女」の影響はあったと思う。
次から次へと考えるヒマもないほどストーリーは展開していき、それこそ息をつくヒマもない。

チャンナラの飲みっぷりも驚愕! ソウルで地元の人が集う店にもいろいろ行ったけどここまで飲んでいる人にはお目にかかったことはないね。ただ、数種類のアルコール(例えばビールとウイスキーのチャンポン)を混ぜて飲むのは好きみたい(ボクは好きじゃないけど)。ソンガンホがCMに出ている「百歳酒」とソジュ(焼酎)を一緒に頼むと、お店の人がこの二つを割る(混ぜる?)容器も一緒に持ってきてくれたのには驚きました。
口の横にちびっこのグラスを付けて、それを掌で回転させながら口に持って行きそのまま飲み干すワザ(意味わからなかったら、映画観て下さい)も凄い。ボクも家で練習しようかな。

この映画を観て、「ヒョン」とはこんな時に使うのかと知りました。単に年上の男性に「お兄さん」って感じで使うのではなく、かなり仲が良くて何でも相談できる「頼りになる兄貴」って感じ、それとも血は繋がっていないけど「義兄」というニュアンスでしょうかね。

まぁ何にも考えずに、観ていてそこそこ面白く楽しい。そんな作品です。本来はチャンナラのキャラクターを知ってこそだとは思うけど、この映画で初めて彼女のことを知っても全然問題無い。

ラストのミュージカルシーン(?)もなかなか楽しい。
チャンスがあればご覧になっても損はしない作品でしょう。

次回はこの映画祭で観た最後の作品「YMCA野球団」をご紹介します。

おしまい。