「Bモンキー」

わかったような、わからないような


  

この日は新梅田シティにあるシネ・リーブル梅田ではしごする。そう話題作でもないし、木曜だし、空いているやろなと思っていたら、やっぱり空いていました。この回「Bモンキー」を観たのはたったの5人だった。

この映画、男性監督の作品なんだろうな。映画が始まって少ししてからそう思った。女の子の気持ちの描き方が全然違う(ような気がした)。このところ女の人が主人公の映画を立て続けに観ているからそんなことが気になる。
1998年に制作されたこの作品、何故か今頃日本で公開されている。

ロンドンを舞台にしているというので「キス★キス★バン★バン」のようなスタイリッシュな軽いノリの映画化と思っていたら、ねちっと、どろっとした作品。犯罪ものではなく、人間ドラマ。ちょっと浮世離れはしているけどね。
主人公はBモンキーと呼ばれている女。彼女は右肩に猿のタトゥーを施している。イタリアからロンドンに流れて来た。弟分のポールと組んでギャングを働く。宝飾店に入り、拳銃をちらつかせ、ショーケースを叩き割って商品を強奪する荒っぽい方法だが、鮮やかな手口で証拠を残さずに仕事をこなす。
そんなBモンキーが恋をする。相手は昼間は冴えない小学校の教諭、夜も冴えない病院のDJ(こんな仕事があることを初めて知った!)のアラン。最初はパブで彼がBモンキーに一目惚れしたのだ。彼女はアランを軽くいなすつもりだったBモンキーだったが、次第に堅気で誠実なアランに引かれていく...。

わかったような、わからない。
この筋立てはまるでいにしえの東映ヤクザ映画を観ているよう。
足を洗ってまじめに更生しようとしている主人公に対して、あの手この手で引きずり戻そうとする組織。そして、過去のいきさつかやしがらみから身動きが取れなくなった主人公が「これが最後だ」と思いながら再びドスを手にする...、なんてね。まるでそのままやん。
違うのは主人公が女性だということと、アランが腕っ節はさっぱりだけど肝がすわって行動力があることか。
だから、ラストは一応ハッピーエンドを迎える。

Bモンキーがどうしてアランに惹かれてしまったのか、ボクにはもう一つ理解出来なかったけど、まぁ許容範囲なのでしょうか?
Bモンキー役にアーシア・アルジェント。「トリプルX」にも出ていたそうですがボクは未見。いつもじゃないけど、たまにはっとさせる美しさを持った方ですね。
アランにはジャレッド・ハリス。フォグワーツの校長先生の息子さんですね。

ラスト近くに出てくるイギリスのヒースと呼ぶのでしょうか、緑の丘陵地帯は素晴らしい。こんなところで古城に住み、羊の群を追う生活もいいかな、なんて思ってしまいます。

残念ながら大阪神戸での上映は既に終了しています。興味をお持ちの方は、情報誌で丹念にお調べになるか、ビデオ・DVD化をお待ち下さい。まぁ、そこまでする作品でもなかったけどね。
次回は、続けて観た邦画「blue」をご紹介します。

おしまい。