「ボリウルの夏」

素朴で温かい心情が伝わる


  

突然ですが、ゴールデンウィークの前半戦、2月に続いて韓国へ行ってきました。
4月25日に出発、29日に帰国する4泊5日。関空からソウルに入り、すぐに国内線を乗り継いで日本海側にある束草(ソクチョ)へ。その日のうちに雪岳山(ソラクサン)の麓にあるホテルへ。
翌日は雪岳山を目指して朝の5時にスタート。最高峰・大青峰(デチョンボン・1707.9m)を経て反対側の麓の五色(オセック)にゴールしたのが夕方の17:00。途中何度か休憩したものの12時間ぶっ通しで歩いて疲れ切りました。ほんまにしんどかった! 五色にある温泉で山の汗をすっかり流してから飲むビールは最高でした!

そして、ソウルに戻り訪れたのはCOEXにある巨大なシネコン「MEGA BOX」。この日は朝から晩まで5本の韓国映画を観る予定。
朝の8:30にチケット売場に着くと、もはや長蛇の列。これには驚きました。午前中の最初の上映は割引料金なので、それを買う人たちだったようです。

さて一本目は「ボリウルの夏」。ほんわかとした少年サッカーの映画。
確かにいいお話しだけど、深さは無い。少々喰い足りない印象さえ受ける。
エピソードを詰め込み過ぎているようで、散漫な印象を受けてしまう。もう少し登場人物とエピソードを絞った方が良かったのではないでしょうか? この映画の主人公は一体誰なんだ?
しかし、心が洗われるストーリーに観終わって爽やかな印象が残るのは間違いない(と思う)。

まだ若い神父キム(チャインピョ)が、ど田舎のボリウル村にある教会に赴任して来る。この教会では何人かの子供を預かっている(たぶん孤児じゃないかなぁ)。
そのころこの村の悪ガキどもは、近くの街にあるチームにハンバーガーを賭けたサッカーの試合に挑むが、敢えなく大敗。ロッテリアでハンバーガーをぱくつく街の子の姿を寂しそうにのぞき込むばかりだ。村に帰った子供達はサッカーに詳しいお坊さん(パクヨンギュ この人、韓国の丹波哲朗だな)に自分たちのコーチになってくれるように頼む。
一方、教会でも子供達がキム神父を中心にサッカーチームを結成することになっていた。お寺のチームと教会のチームは当然対戦することになる。
結果は引き分け。そして、この2チームが合体してボリウル村のチームになり、街のチームに再戦を申し込む...。
このメインのエピソードに、若いキム先生と古参の教会のシスターとの対立、キム神父とお坊さんとの交流、都会から来たお坊さんの隠し子(?)と村でもしっかり者の女の子との淡い恋物語など、サイドストーリーが盛りだくさん。

子役はどの子ももう一つ(「ボイス」の女の子がインパクトありすぎたからなぁ)だけど、しっかり者の女の子はこれからも期待出来そうな気がします。

テーマがいいだけに、日本での上映の可能性は大いにあると思います。その際には是非ご覧ください。韓国の人たちの素朴で温かい心情が伝わってきます。
ここは素直に評価したいと思います。
次回は「嫉妬は我が力」をご紹介します。

おしまい。