「パープルストーム」

ダニエルウーも一人前になったなぁ


  

天六のユウラクザ。ここは1階の劇場。5階のホクテンザに比べると座席数も多いし、スクリーンも大きい。でも入場者数はそんなに変わらないけどね。

香港の映画。主演はダニエルウー。この人「美少年の恋」の頃と較べるとだいぶ成長して、演技も上手くなってきた(なんて、偉そうに!)。でも、彼の顔を見ると反射的に「美少年の恋」を思い出してしまい、なんとなく嫌な気分になってしまう(ごめんなさい!)。後はあんまり見かけない人が出ている、でもこの映画なかなか面白いのだ。

冒頭は嵐の中で貨物船を襲うシーン。もちろん日本語の字幕付きなんだけど、船を操縦している人たちが喋っている言葉がハングルに聞こえて仕方なかった、少なくとも広東語とちゃうで。
すると、テロリストたちが北朝鮮出身の傭兵たちを襲撃して、シージャックを試みていたことが明らかになった。ボクの耳も捨てたもんじゃない! でも、何て言っているのかは理解できなかったけどね。
この船をたった二人で襲撃している最中にダニエルウーは積荷のコンテナに頭部を激しくぶつけ、気を失ってしまう。そこへやって来た香港警察によって、彼は意識不明のまま身柄を拘束されてしまう。
彼をカンボジア(だったかな?)のポルポト生き残りの革命テロリストと断定した香港警察は、どのような目的で香港へやってきたのか聞き出そうとする。しかし、トッドは頭を強く打ったことが原因で記憶を失っていたのだ。
催眠術を駆使して彼の記憶の深層を探るが、記憶喪失は偽装ではなく本当のようだ。そこで、テロ対策部隊の隊長は、トッドにいつわりの記憶を植え付ける計画を思い付く...。

う〜ん。こんな荒唐無稽な筋運びが香港映画らしくていい!

香港警察の秘密使命を帯びてこのテロリスト集団に潜行捜査に乗り込んでいたという設定。トッドには自宅も恋人も、過去の写真も用意されている。この恋人役の女の子どっかで見かけたことがあるような気がするなぁ。

しかし、人間の記憶はそう簡単にすりかえられるものではない。トッドはふと目にした情景や、街の音に反応してしてしまう。そして、かすかに記憶を取り戻していく。断片的に戻ってきた記憶が頭の中で繋がりかけた時...。

ダニエルウー、ほんとにいい役者さんになりつつありますね。イーキンチェンやニコラスツェーよりもいい感じ。次回はもう少しシビアな人間ドラマにチャレンジしてもらいたいですね。
もう少し天六で上映していると思います。香港映画が好きな人なら、ご覧になっても損のない作品だと思いますよ。

おしまい。