「カルマ」

今までの香港映画とはちょっと違う


  

水曜は都内でもレディースデイのようです。水曜の19:00からの回はレスリー人気もあってか100名ほど入れる会場は7、8割方埋まっている。比較的若い女性が多いようです。この新宿武蔵野館は昨年も来たことがある。JRからも地下鉄からも近くていいですね。チケット売り場のお姉ちゃんが愛想なしなのが少し気になったけど...(充分許容範囲だけど)。

今回ご紹介するのはレスリーチャン主演のロマンチックホラー(こんなジャンルあるのかなぁ)「カルマ」。
しかし、この邦題タイトルのセンスの無さには呆れてしまうけど、付いてしまったのだから仕方ない(原題は「INNER SENSES 異度空間」)。
レスリーの相手役はカリーナラム。最初はあんまりかわいくないけど、ストーリーが進むにつれてだんだんかわいくなっていく不思議な女優さん。日本人のクォーターだそうです。そう言われればなんとなく日本人チックな顔立ちだったような気もするけど...。
今まで知らなかったような香港映画。でも、幽霊の見せ方なんかに香港的(中国的?)なものはあまり感じられず、正直言って目新しさはない。でも、面白くないのかというとそうでもなく、なかなか楽しませてもらった。

ジム(レスリー)はエリート医師。専門は精神科。大学で講座を持ち、病院に勤務し、個人的にクリニックも開いている。そんな彼に同僚から「家内の従姉妹を診て欲しい」と依頼を受ける。ヤン(カリーナラム)は心を病んでいて、その上アパートを引っ越したばかりで落ち着かず、その新しい部屋に幽霊が出ると騒いでいる。クリニックを訪れたヤンを診て、ジムは薬を処方する。なんとそのクスリは缶入りのミルキーだ。
ジムはその幽霊の原因を突き止め、ちょっとした失敗はあったものの、彼女は平静を取り戻しつつあった。ジムにかかれば、彼女の心の病もそう難しい部類のものではなかったようだ。落ち着き始めたジムとヤンの間にはいつしか医師と患者という関係を超えたものが生まれようとしていたのだが...。
そんな矢先、あることをきっかけに、今度はジムが少しずつおかしくなり始める...。

過去に心に負った傷はトラウマとして心の奥底に隠れて、なかなか姿を現さないのに、本人を呪縛してしまうもののようだ。そんなことを考えさせられるけど、どうもストーリーに目新しさは感じない。レスリーのキャラクターのみでこの映画は成り立っているような気がしますね。う〜む。
それに、折角香港が舞台なのに、それが生かされているようにも思えないし。少しずつどこかちぐはぐで温い。もうひとつピリッとしたものを感じない。
映画としては二段構えの構成になっていて、ヤンが見る幽霊の正体を暴いてから今度はレスリーの心の奥底を覗き込む。そんなつくりには最後まで観客を飽きさせずに画面に集中させる工夫は感じたけどね。

まっ、今までボクが観てきた香港映画とはちょっと違う、そんな映画だと思います。
関西では動物園前のシネフェスタで近日公開予定です。

おしまい。