「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」

すぐにでも続きが観たい!


  

約三時間の超大作。第一部「旅の仲間」を観逃した方はもちろん、既に観た方もこの第二部「二つの塔」をご覧になる前にもう一度ビデオかDVDで「復習」されることをおすすめしておきます。まさか、全9巻の原作をもう一度読み返すだけのお時間は無いでしょうから。そう言うボクはビデオやDVDを借りてくることも無く「なんとかなるやろう」って感じで劇場へ行くことになりました(借りてきたところで観る時間も無いしね)。で、なんとかなるもんです。
行ったのは公開初日。どれだけ混雑しているかと思い、前もって座席指定券を購入しておいた。でも、冷たい雨が降り続く土曜日の夕方、500名は入れそうな伊丹TOHOプレックス#1スクリーンには1/3いや100名も入っていない。拍子抜けと言うよりも淋しささえ覚える。せっかく新しく出来た映画館なのに大丈夫か?

今回はストーリーを紹介しても意味が無い。
巨大なスクリーン狭しと繰り広げられるいつ終わるとも知れない戦闘シーンにただただ圧倒されてしまう。そしてつくづく思うのは「映画に匂いがなくてよかった」。今回はみんな汗臭そうだ。特に馳男さん(アラゴルン)はいつも髪の毛がべっちょりになっているし、オークは近づいて来るだけで匂ってきそうだ!
原作でもそうだけど、第一部は導入で、説明がやたらと多かった。前提が語られ、人物が紹介される。ようやく第二部に入っていよいよ物語りは佳境に入り、大きく展開する。大きく動くからドラマも生まれ、苦悩があり、淡いロマンスがあり、そして闘いがある。
しかし、この物語りの大迫力に比して物足りないのは、はっきり言って女優陣。もう、あれーって感じ。前作に続いて登場のエルフのお姫様アルウェン(リヴ・タイラー)、今回登場するローハン王国のお嬢さんエオウィン(ミランダ・オットー)。二人ともそりゃ綺麗な人だけど、ともに全くの年齢不詳で若々しさは全然感じられない。こりゃ淋しいよ、まぁ、原作がラブロマンスものではないから仕方ないけどね。
前作から大きく変わっているのはスメアゴル(ゴラム)だ。前作ではもっとツルンとしてカエルか海坊主(!)を連想させるような感じだったのが、今作では人間により近い、微に入り細に入りリアリティに富んだ作りになっている。今回の目玉はこのゴラムと巨大な木の妖精(?)エントでしょう。
ストーリーは原作に忠実なだけに目新しさは無い。あとはそれをどう具体化して映像として見せてくれるのかという点に興味は移る。目を引いた作りはフロドとサムがゴラムの道案内で迷い込む幽霊沼とサルマンの搭、そしてローハンの宰相にしてヘビの舌グリマ。どれも想像以上の出来栄えでびっくりしてしまいます。
前作ではフロドの心の悩みに主眼が置かれていて(もちろん、この旅に出る動機付けだから当然だけど)ちょっとまどろっこしかったけど、今回はサルマン対三手に別れてしまった旅の仲間の闘いに比重が置かれている。戦闘シーンは一大スペクタクルには違いないけど、別にアクション巨編を観に来ているワケではないので、ちょっとね。特にローハンの砦の攻防戦あたりが饒舌に過ぎるのではなかろうかという気もします...。

いずれにせよ、この「二つの搭」も長かった(2時間59分)。少し固めのとっても座り心地のいい椅子だったけど、2時間を過ぎたあたりからお尻がもぞもぞしてきて、ちと辛かった。
次回の第三部「旅の終わり」は、原作では一、二部より少し短い。あぁ、良かった。じっと座って一本の映画を観るのは2時間と少しが限界だ。

第一部と違って、一応お話しのおちが付いて第二部は終了する(第一部の終わり方には問題があると思う)。観終わって、すぐにでも第三部が観たくなるのは間違いありませんょ。
まずまずのおすすめ。是非、環境の良い巨大なスクリーンでご覧ください!

おしまい。