「ヒーロー/英雄/Hero」

どうした、チャンイーモウ!


  

そしてこの日の最後に観たのは、チャンイーモウ監督の最新作。香港でもこの1月に公開されたばかりの「英雄/Hero」。チャンイーモウ監督だし、普通話だし、香港映画ではなく中国(大陸)の映画ですね。出演陣は超豪華。トニーレオン、マギーチャン、ジェットリーにチャンツィイー。なかなかこの4人は揃わない。否がおうにも期待が高まります。

しかし、この「英雄/Hero」いまいち面白くない。
「どうした、チャンイーモウ!」

この映画、一見しただけで、考えられないほどの予算と日数を掛けた大作だとわかる。膨大なエキストラにオープンセット、そして偏狭の地でのロケ、豪華な俳優。どれもが一流。
でも、それらの要素が上手く噛み合っていない。どうも空回りしているような気がする。
ストーリーが見えにくいのも一因だな。もちろん、普通話にハングル字幕なので、ほとんど理解できない。オマケにボクがあんまり得意ではない「武侠もの」。そんなことを差し引いても切れ味が鈍い。

事前に持ち合わせていた情報によると、秦の始皇帝の時代の話しらしい。
ある男(ジェットリー)が宮殿に始皇帝を訪ねてくる。それは彼が討ち倒した剣豪たちの剣を皇帝に献上するためだ(と思う、ここにも言葉の壁が...)。そしてその剣を目の前にして、男はその剣豪達とどんな闘いをしてきたのかを皇帝に語るのだ。

あんまりストーリーを語る訳にはいかない。
しかし、この豪華キャストがほんとうに活かされているんだろうか? これだけのキャストに中国の語り部No.1のチャンイーモウと来れば、普通ドラマを期待するでしょ。どんな濃厚な人間模様が繰り広げられるのかと。
チャンイーモウにワイヤーアクションを見せて貰いたいとはボクは思わない。
マギーチャン、チャンツィイーの二人もどちらかと言うとお飾りのように扱われていて、どうも解せない。二人とももっと芝居が出来る女優さんだよ。

でも、ソウルで観ただけでこの映画を判断することは出来ない。日本語字幕付きで観ればがらっと印象が変わってしまう可能性は大きいですから。それに期待しましょう。何せ、ソウルではこの数週間の週末興行成績がトップの映画だったんですから。

これで今回のソウルレポートは終了。
また行きたいよ〜!

おしまい。