「007 ダイ・アナザー・デイ」

ワクワクドキドキ


  

雨のそぼ降る新梅田シティを後にして向かったのは厚生年金会館。
この日は007の試写会が三部制で開催されて、ボクがお邪魔したのは「夜の部」。この日4本目だから頭の中はちょっと混乱している。

007の前作「ワールド・イズ・ノット・インナフ」はなんと韓国の仁川から中国の丹東へ向かうフェリーの中で見た。だからハングルの字幕付きだったんだけど、アクション映画はなんとかなるもんです。吹き替えよりずっといい。
で、今回の新作は吹き替えじゃなくてもハングルがばんばん飛び出してくる。

「チョコレート」で昨年のアカデミー賞の主演女優賞に輝いたハル・ベリーが注目されているけど、ボクとしては彼女より断然ロザムンド・パイクという英国人のお姉さんがいい! ちょっと知的な顔つきと抜群のスタイルには目が点になってしまいました。どうしてこんなにかわいいパイク嬢が悪役やねん!

理由なんかどうでもいい。とにかく2時間と15分の間、映画を観に来たお客さんを楽しませようというサービス精神がぎっちりと詰まっています。これでもか、これでもかって感じで繰り広げられるアクションの連続で、まぁ心が休まる暇もない(それにしてもこの上映時間はちと長い、せめて2時間を切るぐらいにしてほしかった)。 だから、ストーリーの説明はいちいちしないけど、手に汗握ってうっとりする、そんな映画です。
北朝鮮の海岸から香港、キューバ、ロンドン、アイスランドの氷原そして再び北朝鮮と舞台をどんどん変えてスピーディに展開していきます。

今回は悪役がもろに北朝鮮という設定。これって、半島情勢がビミョーな時期だけに、ちょっとヤバいんじゃないか? 金正日を連想させる人物が出てこないのがせめてもの救いかな。
しかし、ダイヤモンドで儲けた資金をつぎ込んで衛星の太陽を作ってしまうなんて発想は凄いよ。確かに、この手の衛星を平和利用したらもう凶作という言葉は死語になってしまうかもしれない(あと20年もすれば、本当に実用化されているかも!)。しかし、空から降ってくるレーザー光線攻撃は恐ろしいなぁ。
新兵器ではないけれど目を剥いたのは、氷上を滑るように走るジェット機のような乗り物。これは素晴らしい。こんな物に乗れるのならアイスランドに行ってみたくなる。もちろん、アイスランドにこしらえた氷のホテルもいいねぇ。
あの手、この手でお客さんに夢を見させてくれる。「マイノリティ・リポート」の未来都市ではちょっとどうかなぁ、手も届きそうもないなぁって感じやったけど、こちらに出てくるものは「ひょっとしたら」と思わせるリアリティさが売りだよね。

まぁ、お約束でどんな困難に行く手を阻まれようと、何万発の弾丸を発射されようが、ジェームズ・ボンドはかすり傷程度。あんな氷が漂う海をウインドサーフィンで滑走してたら普通風邪のひとつも引いちゃうもんやけどねぁ...。
もうひとつの目玉は「ヴァーチャル・グラス」。これこそ自分用に一つ欲しくなりますね。いい夢見れそう!

ちっとも難しくなくてワクワクドキドキ。まずまずのおすすめではないでしょうか。
3月に入ってすぐに公開されるようです。お楽しみに!

おしまい。