「西洋鏡/映画の夜明け」 |
中国映画らしくない |
今回ご紹介するのは「西洋鏡」という映画。 写真を撮られると魂を抜かれる、なんて噂がまことしやかに囁かれていた時代。北京で、写真館の撮影技師をしているリウ(シアユイ)。何かにつけ新しい技術や機械が好きで仕方ない。そんな彼が目にしたのが「西洋鏡(活動写真)」。英国人のレイモンドが持ち込んできたのだ。リウは写真が動くなんて信じられなかったが、西洋鏡を見た瞬間から、この新しい技術(?)に心を奪われてしまった。写真館の仕事をそっちのけでレイモンドの小屋に入り浸っていた。やがて、リウは、大きく変貌しようとしている北京の街並みと北京の人々の姿を西洋鏡で保存することに意義を感じ始める。
今でこそ、写真を見たり、TVを見たり、そして当たり前のように映画を観る(そうそう最近ではフィルムを使わないデジタル方式の映画の上映もナビオやブルク7では始まっている)。だけど、初めて動く写真「活動写真」を見た人は、度肝を抜かれたに違いない。そんな素直な驚きがこの映画には一杯詰まっている。そして、最初は無声だった活動写真が、やがて音が入りだす予兆までを感じさせてくれる。
夏雨が好演している。先日、ヌーヴォで「太陽の少年」の予告編を観て、この夏雨どうしたのかなと思っていたところだったので、凄いタイミング。
サブタイトルに「映画の夜明け」と付いているけれど、まぁ、そんなに堅いお話しでもないし、軽い気持ちでご覧いただくのにはいいんじゃないでしょうか。感動するとか、余韻が残るとかそんなタイプの作品ではありません。 おしまい。 |