「いたいふたり」

いろんな意味で痛いなぁ!


  

今年になって初めての東京。この日はそんなに寒くなく、なんか1月にしては妙な生暖かさを感じる晩でした。
仕事を終え向かったのは渋谷のユーロ・スペース。ここでレイトで公開されている「いたいふたり」を観てきました。
昨年末からちょっと気に入っている唯野未歩子の主演作。なんか顔の感じが「さゞなみ」や「パルコ・フィクション」の時と違って、ちびっととんがった印象を受ける。「ん?」と思っていたら、2001年に撮られた映画なんですねこの「いたいふたり」。

アイデアというか着想というか、設定はすごく面白いのに、ふくらまし方が良くなくて映画としては平凡な出来になっている(惜しい!)。

ナツ(唯野未歩子)とリョウ(西島秀俊)は新婚さん(だと思う)でとっても仲がいい。その二人の愛情が高じて、二人の間に奇妙な現象が起こる。片方が痛ければ、同じ箇所が同じようにもう片方も痛くなってしまう。激高のあまり、ナツが包丁で手首を傷つけると、りょうの左手首にも傷が浮かび上がるのだ。なかなか面白い設定でしょ。
そして、脇を固めるエピソードもなかなか面白い。ナツのwebおたくの弟(この人、唯野未歩子の弟さん・唯野友歩)、塾の講師をしているリョウの教え子、ナツに思いを寄せる勤務先の同僚、ナツの勤務先の社長と青年の関係、などなど...。
主役の二人が住む平屋の一軒家がなかなかいい。それに、リョウが帰ってくるときに冷蔵庫の中や流しの下に隠れるナツがなんともかわいいね。

でも、なんか冴えない、切れない。残念。
リョウを演じる西島秀俊のちょっとぼんやりとしたような芝居(「世界の終わりという名の雑貨店」がトラウマになっているのだ!)をボクが嫌いなせいだけじゃないと思う。もう少しの工夫でこの映画はもっともっと面白くなったような気がするんやけどなぁ。その「ちょっとした工夫」が具体的に何なのかはボクにもわからないんやけど。
まぁ、過大な期待を抱いて観たワケではないから、そんなに「損した」って気はしなかったけど、なんか消化不良を抱えたままユーロ・スペースを後にしました。
関西での上映はどうかなと思っていたら、春に十三の第七藝術劇場で公開予定だそうです。

おしまい。