「夜を賭けて」 |
骨太の感動作 |
秋口の長期予報によれば「この冬も暖冬」と言っていたような気がするんだけど、夏の終わりから一足飛びに冬になりそのまま寒い。特に12月後半から一段と冷え込んでいるような気がする。先日、通勤途上にある梅田の気温計は0度だった! こりゃ寒いはずだ。
そんな寒さを吹き飛ばすような骨太の映画を観た。
この映画を「在日朝鮮人の昭和史」という切り口では片付けたくない。そうではなく「人間の持つバイタリティと明るさを描いた作品」と位置付けたい。
映画を観ながら、いったいどこでロケをしたんやろ?って考えていたら、なんと韓国の群山にオープンセットを組んで、そのセットそのもののバラックに役者もスタッフも4カ月泊り込んで作り上げた作品だと言う。そりゃ凄い! どうりでリアルなセットなはずだ。画面から生活臭がぷんぷん漂っている。
「俺たちに未来はあるのか。いや、無い!」とあっけらかんと言ってのける。
でも、帰る場所も無い。「ここで生きていくにはこうするしかないんや」と逞しく生きていく主人公たちの姿は素直に感動できる。しかし、彼らをここまで追い込んでしまったのは日本人のせいだ。その点はきっちり反省しなければならない(認識しなければいけない)。 「これって、労働でしたんかいな。てっきり盗みやと思うてた」
結局、悲しい結末を迎えてしまう。
決して難しい作品ではありません。素直に観て、素直に感動できる。なかなか素晴らしい作品。音楽もいい。多くの方に観てもらいたいと思った。 おしまい。 |