「13ゴースト」

ぬるいけど笑って許せる


  

ウ〜ム。なんとも形容し難い映画だ。
一応、ホラー映画なんだろうけど、あんまりと言うか、ほとんど怖さを感じることは無い。お話しそのものはなんだか気の抜けたミステリー小説を読んでいるようなもんだ。
でもね、不思議な魅力があるのも確かです。

忘れかけていた親戚が死に、突然遺産を相続することになる(映画の世界では良くあるお話しだ)。郊外の森の中にぽつんと建つ豪邸だ。アーサーは弁護士と共にさっそく、出かけてみることにした。
着いてみると、想像を絶する豪邸だ。概観はいっぷう変わった作りになっているが、内装や調度品はまさしく「豪華」の一言。一緒に来た娘と息子、そして家政婦も度肝を抜かれた様子だ。もちろんアーサー自身も。
が、しかし。この屋敷には恐るべきワナが仕掛けられていたのだ!

この屋敷をアーサーに残したサイラス叔父さん(「アマデウス」でサリエリを演じていた人ですね)は、この屋敷の地下に12種類の幽霊を集めていた。そして、屋敷は家ではなく、この幽霊たちの力で「地獄の目」の魔力を手に入れるための「装置」だったのだ!
アーサーたちをここまで連れてきた弁護士の死は壮絶だ。いやぁ、あの殺され方にはちょっとびびりました。あんな風に真っ二つになるなんて! でも、それ以外は残念ながらなんてことは無い。正直言ってぬるぬるなのです。
この屋敷の仕掛けが大層で仰々しいだけに、それがあんまり生かされていないのが惜しいなぁ。
出て来る12種類、13人の幽霊はどれもこれもなかなかよく出来ている。彼らを主人公にして一本ずつ映画を作れそうだ(その方が面白かったりして)。特に、血のお風呂に入っている若い女性のストーリーは映画化してもらいたいなぁ。

手に汗握ったり、下腹部が冷え冷えとしてくるようなことはありませんが、軽く笑い飛ばせるような、面白い幽霊映画ってとこですかね。
この日はレディース・デイということもあってか、60名ほどの入りでした。上映は今週一杯。興味のある方は、「急げ!」

おしまい。