「パコダテ人」

爽やかに駈け抜ける


  

爽やかな映画だ。
舞台は現代の北海道・函館。主人公は宮崎あおい演じる日野ひかるという高校生。

ある朝、目覚めるとひかるにふさふさとした尻尾が生えていた!
この珍事件にまつわる一切合財がこの映画なのです。
尻尾のことを誰にも黙っていたひかるだが、ついには友人に打ち明け、そして家族にも打ち明ける。そして彼女の尻尾を三流地元紙がスクープ。とうとう、ひかるはテレビ中継に出演し、大ブレークするのだ。
その後のお話しの展開や尻尾が生えてきた理由など、「あれっ?」と思う点もないことはないけれど、そんな欠点(?)は気にしなくてもいいような愛情に満ち溢れていますよ。
ひかるの家族が良いのです。お父さんは徳井優(彼が大阪弁をしゃべらないのに違和感を感じる)、お母さんが松田美由紀、お姉さんに松田一沙。特にこのお姉さんがいいんだなぁ、初めて見る人だけど。この家族のひかるに対する愛情は下手なホームドラマよりも巧く描けてます(ほんまか?)。
一方、併走して展開するエピソードに出てくるで、函館市の職員を演じる大泉洋。この人も初めて見たけどなかなか存在感があるおもしろいキャラクターです。ちょっと注目したいですね。

荒唐無稽なお話しだけど、好感が持てる展開で、観おわった後には元気がわいてくるような作品に仕上がっていますよ。
大阪ではロフト地下のテアトル梅田でレイトショー、動物園前のシネ・フェスタ4でも上映しています。お時間のある方は是非どうぞ。

おしまい。