「マンホール」

きっかけが大事なのだ


  

北海道を舞台にした映画を続けて観る。
この映画の舞台は札幌と札幌近郊のベッドタウン。三輪明日美演じるのぞみは進学校に通う高校生だ。

あぁ、ボクも高校時代に戻りたい!
先日、卒業した高校から封書が届いた「卒業して20年を迎えたので同窓会を...」という内容だった(ほんとはもう22年になるんだけど)。月日が過ぎ去るのは早いね。みんなどれだけ変わってしまったのか確かめたいような気もするけど、学年全部が集まる同窓会へ行ってもなぁという気もするなぁ。

さて、映画のお話し。 女子高生と妙に正義感が強い交番勤務のおまわりさんの「こころ温まる交流」がテーマ(うそです)。
この映画の本当のテーマは「家族」ではないかな。
パコダテ人は暖かい家庭が登場してきたけど、のぞみの家庭は冷え切った家族だ。父親はのぞみの高校で生活指導を担当する数学教師。母親は旦那にも娘にも冷たくされ途方に暮れる(?)専業主婦だ。この家族がのぞみの家出(?)という重い命題を突きつけられて、いかに変わっていくのかが違う形で描かれている(のだと思う)。
家出中に頼っていたジュンちゃん(この映画にも登場している大泉洋)が、のぞみに説教をしかけてやめてしまう。このシーンにやっぱり親身になって意見できるのは親であり家族だけなのかなぁと強く印象に残りました。
一方、警察官・小林だって、親の期待を一心に受けて警官になったものの、その高くて堅い意識は挫折しそうになっている。独身の息子にジャガイモばっかり送りつづける母親って一体...。また、彼が開いているweb-siteは一見の価値があるな。

お話しは中盤から一転して意外な方向へ進み始める。 にわかに幻想的というか、ファンタジ―の世界へ突入してしまうのだが、要は「きっかけ」が大切なのだ。のぞみ(と彼女の家族)にはこのきっかけが必要だったのではないでしょうか?
エンディングのエピソードはいささか蛇足。もっと違うエンディングの方が良かった。
交番の同僚やおせっかいなおばさん、デートクラブのお客さん、そしてジュンちゃんなど脇が固まっていて締まっています。

シネ・リーブル梅田でもう暫く(7/12まで)レイトショーのみで上映中です。 あぁ、北海道へ行きたい!!!

おしまい。