「寵愛」

映像は綺麗です


  

このところ韓国の映画ばっかり観ているような気がする。
記念すべき日韓共催のワールドカップが開幕したことだし、それもいいか。
さて、東京ではひと月ほど前から公開されている「寵愛」という作品。もう何ヶ月も前にリーブルの窓口で前売りを買い、大阪での上映を待っていた。

極端に出演者が少ない映画だ。
主人公のカップルと、若い男がもう一人。でも、画面に出てくるのはほとんどこのカップルだけだ。

そして、極端に生活感が無い映画だ。
主人公のカップルはほとんど抱き合っている。その他は、眠っているか、本を読んでいるか、電話をしているか...。食事のシーンもワンカットだけ。酒を飲むシーンすらない。その割に男がアイロンをあてるシーンはあるんだけど。

結論を言うと、面白くともなんともない映画だ。

「芸術」というわけのわからないオブラートに包まれたアダルトビデオだ。

主人公の男は、どこかカネシロタケシに似たなかなかかっこいい男だ。彼が住むマンションは白で統一されていて、広々とした空間。大きい窓。
どんな仕事をすればこんな部屋に住める稼ぎ得られるのか? 
いつも本を読みながら彼女の訪問をひたすら待ち続けている。たまに何か書いているみたいだけど。

女は、ヌードモデルで生計を立てている。思い出したように、気が向けば毎晩この男が待つマンションの部屋を訪れる。
でも、この女は彼を愛しているわけではない。別の男を愛しているのだ。女はその男から電話が入ると、そそくさと出かけて行くのだ。

二人は、雑誌(?)の取材で知り合った。
男がライターで、女が取材対象者だったのだ。その時から男は女に愛する男性がいるのを知りながら、この女性との奇妙な逢瀬を繰り返すようになる。
この二人がどんな思いでいるのか、その言葉による説明が極めて希薄だ。二人の思いは二人の態度や、男が書く詩のような夢のような文章から察するしかない。

ある日、男は思いきった行動に出る。

男はオジホ、女はイジヒョン。共に映画界では手垢がついていない俳優さんだ。この後、この二人がどんなふうに変わっていくのか、興味がありますね。美男美女であるのはもちろん、イジヒョンの抜群のスタイルにはくらくらしてしまいます。
ボクは、彼女を初めて目にしたポスターやポストカードで「いいな」と思った。でも、予告編を観てちょっと(ほんとは、かなり)がっかりした。でも、本編を観て見直しました。今後に期待です。
以前の「嘘/Lies」と較べるとこの「寵愛」の方がかなりイイ出来。もちろん「情事」のほうがもっとイイですけどね。

映像は綺麗です。

おしまい。