「同居蜜友/Fighting for Love」

コメディにしなくてもいいのに


  

香港で観た最後の映画は、去年のお正月映画だった「同居蜜友/Fighting for Love」。会場はホテルから1ブロックしか離れていない南華戲院(South China Theater)。
この南華戲院はちょっと(かなり?)地味で、奥行きがあまり無いかわりに左右が広く、画面がワイド。正面の席に座れれば、かなり観やすい。「早場」だからか自由席。ここは午後4時からの回でも旧作が上映されるので「要チェック」です。10分前に入場したときには他のお客さんは誰もいなかったけれど、その後続々と入ってきて、結局40名ほどになりました。百老匯旺角とはかなり客層が違い、おっさんが多い。映画を観に来たというよりもヒマ潰しに来たという感じかな。途中からはイビキも聞こえるし、タバコの煙がたなびいたり...。決して雰囲気は悪くないんやけどね。

さて、主演はトニー・レオンとサミー・チェンの「Needing You」のコンビ。この二人で組むと当たるんでしょうね。早く「痩身男女」も観たいなぁ。
ラブコメディで「嫁個有銭人」よりはずっとイイ出来だけど、そう当たりって感じでもない。日本での公開はどうかな?

トニーは古くからある老舗の牛肉麺屋の若大将。アイドルタレントと付き合っている。一方、サミーは玩具メーカーのやり手部長。今日も忙しく駆け回っている。
そんな二人がちょっとしたクルマの接触事故の当事者同士として出逢う。そして、この事故の示談交渉で意気投合した二人は酔った勢いでベットイン。この時、トニーは「恋人はいない」とウソをついてしまう。
そんなことがあって数日、サミーは上司とそりが合わず会社をクビになってしまう。おまけに家でも父親から叱られ、家も飛び出してしまう。
行くあてもないサミーは病院のベンチで一夜を明かす。そこへ現れたのが入院中の母親を見舞いに来たトニー。二人は再開し、話し込むうちにサミーの魅力に気が付いたトニーは、アイドルの恋人と別れてサミーと一緒になると決意するのだが...。

シリアスな恋愛映画ではなく、あくまでもコメディタッチなのが惜しい!
ストーリーやエピソードは陳腐なんだけど、トニーとサミーの二人の関係だけに焦点を絞って(トニーの弟妹のエピソードなんかは省いた方がいいでしょう)ストリーを再構成すれば、何もコメディにしなくても正統派恋愛ものの映画として充分に成り立ったんとちゃうかなぁ。

トニーの店で秘伝のスープをサミーが駄目にしてしまい、二人でその再製を試みるエピソード。アイドルの恋人に別れ話をしに行ったトニーを見送ったサミーがとても嬉しそうな表情で自分の荷物を整理し始める表情。そして、トニーからやっぱり別れられないという電話を受けたときの表情...。
これらは何とも言えず、良かってんけどな。惜しいな。
サミーのお父さんのおとぼけぶりもなかなか良かったですよ。

結局、香港では5本の映画を駆け足で観ました。映画だけではなく、美味しいものもたくさん食べましたよ。それに、ハッピーバレーで今ナイター競馬にもチャレンジしたしね(しかし、どこがハッピーやねん!)。
翌日、香港からソウルへ向かって飛び立ちました。
次回はソウルで観た映画をご紹介しますね。

おしまい。