「天下無双/Chinese Odeesy 2002」

「寅さん」的なおかしさ?


  

今回は香港とソウルへ行ってきました。
香港に到着した日に観に行ったのはトニー・レオンとワン・フェイが主演している時代劇コメディ。会場は旺角にある金聲戲院(Empire Theatre)。
ばかでかい劇場は700名は入れそうです。そんな会場にお客さんはたった20名ほど。月曜の昼下がりとは言え、ちょっと淋しいですね。春節(旧正月・今年は2/12が元旦でした)用の映画で上映は今週一杯だから仕方ないのかな。全館指定席だけど、この人数だから実質はどこでもok。
香港のお客さんは反応が実にストレート。おかしいシーンでは大声で笑います。春節の頃はこの劇場に満員のお客さんが入って、大爆笑の渦がわき起こっていたのでしょうね。
また、香港では漢字(中国語)の字幕と併せて英語の字幕が付くので、内容は80%ほど理解できます。でも、英語を読む(理解する?)スピードがムチャクチャ遅いから、全部読み終わらないうちに字幕は替わってしまうし、字幕を熱心に読んでいたら画面をほとんど見ることが出来ません。難しいものです。でも、この映画は実に解りやすい作品だったのでばっちりでした(ほんとかな?)。

さて、
ワン・フェイは宮廷の王女様だ。窮屈な宮殿を抜け出して旅に出る。この旅の途中で出逢ったのが妹のヴィッキー・チャオと二人で食堂を営むトニー。
トニーはフェイと意気投合。男装で身を固めたフェイを男だと思いこみ(でも、どう見ても男には見えないよ)、是非、妹のお婿さんにと思う。一方、身分を隠して男になりすましたフェイはトニーに惹かれていく...。
「もし、私が女だったら結婚してくれる?」と言うフェイに、思わず「もちろん」と答えてしまうトニーは...。
一方、フェイを探しに宮殿から派遣されたのが王子のチャン・チェン(この人「グリーンディステニー」で盗賊の頭役をしていましたね)。この街に現れていきなりヴィッキー・チャオと恋に落ちてしまう。
やがて、ちっとも戻ってこない子供達に業を煮やした皇太后は大勢のお連れを連れてこの街にやってくる。ヴィッキーとチェンの結婚はすんなり認めたものの、フェイには一つの試練を課す。亡くなった皇帝から指輪を残されていたのだ。フェイの結婚相手にふさわしい者だけがこの指輪をはめることができる、というのだ。トニーの指にはめられた指輪は、彼の指からスルリと抜け落ちてしまった。あぁ、何と言うことだ。果たして二人は結ばれるのだろうか...。

お正月映画だけに随所に笑いがちりばめられており、ほんとに肩の凝らない楽しい作品です。その面白さはどこか「寅さん」的なおかしさに似ているような気がします。
占い師に手相を見てもらったり、水盤にはった水に映る二人の姿から、将来の二人の関係を占ったり、真実を語っていればヤケドしない炎があったり、なかなか興味深いシーンも多かったですね。

トニー・レオンとワン・フェイの組み合わせは「恋する惑星」と同じ。あれから随分と月日は流れたけど二人ともちっとも年をとっていない。フェイはもう貫禄十分。また、「ザ・ミッション」でクラブのオーナー役で出ていた役者さんがちょっと情けない役でちょこっと顔を出しています。

初夏を思わせる陽気だった香港ですが、館内には冷房ががんがん効いていて冷蔵庫の中にいるように寒かったです。
次回は同じ日に旺角で観た韓国映画「我的野蠻女友/My Sassy Girl」をご紹介します。

おしまい。