「我的野蠻女友/My Sassy Girl」

文句ナシの面白さ!


  

続いて旺角の百老匯旺角(ブロードウェイ・モンコック)で観たのは「我的野蠻女友/My Sassy Girl」という映画。
韓国映画迷の方は「猟奇的な彼女」というタイトルでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。日本でも公開が決まっているというこの作品、日本公開時にはどんなタイトルになるのでしょうか?
「猟奇的な彼女」というタイトルのままだと、何かホラー映画かミステリーもののように受け取られかねません。ボクもそう思い込んでいて、香港でこの映画のポスター目にするまで、この映画には全く興味を持っていませんでした。
「猟奇的」という表現を中国語では「野蛮」と訳されいて、それなりに支持されているようでした。sassyを辞書で引いてみると「ずうずうしい、なまいきな」とか「快活な、気の利いた、粋な」とあります。これはなかなか上手いね。ハングルで言う「猟奇的」にはかわいいとか面白いというニュアンスが濃いらしいんですけどね。
香港まで来て、韓国映画を観るなんて、なんかヘンな気もしますが、実はこの映画にも中国語と英語の字幕が付いていて、ソウルでみるよりもずっと分かりやすかったりして...。
250名ほど入れる場内はほぼ満席。凄い人気ですね。

むちゃくちゃ面白かった。

香港のお客さんは反応がストレートで、それに載せられたという分を差し引いても、面白かった。オススメです。
難しいところは全くなく、台詞も8割以上理解できたしね。原作はインターネットで配信されていたという小説だそうで、これも読んでみたい(もちろん日本語で)。映画は明確に三つのパートに別れている。前半・後半・延長戦。
観終わってすぐには何とも思わなかったけど、今、思い返してみると延長戦はいささか蛇足だったような気もします。彼女は嵐のようにやって来て、去って行く。そして二度と戻って来なくても、それで納得できたような...。

とにかく「彼女」が型破りで面白い。
彼女を演じたチョンジヒョンがものすごくイイ!
少し情けない牽牛(チャテヒョン)のキャステイングも大成功ですね。
地下鉄のホームの端に彼女が現れてからはもう爆笑に次ぐ爆笑。
酔っぱらって地下鉄に轢かれそうになった彼女を救ったの牽牛は、彼女と同じ車両だけど少し離れた場所に乗り込んで彼女をみつめている。
彼女は牽牛には目もくれず、自分の前に座っている若い男にいきなり「老人に席を譲れ」と怒鳴りつけたうえに「ピンク色のシャツを着るな」と毒づく。怒鳴られた男はしぶしぶ立ち上がり、彼女をにらみつけて、別の車両へ移っていく。
そして、しばらくして気分が悪くなった彼女は、自分が座らせたおじさんの頭の上からゲロをぶちまけてしまう。そして、おじさんには謝りもせずに牽牛に向かって「マイハニー」ってつぶやいてそのまま気絶してしまうのだ。
車内の視線を一心に集めてしまった牽牛は...。

牽牛が悪友達とダベっている店はいつもブテチゲの店だね。お金のない学生達はブテチゲを食べるのですね。
「イルマーレ」の時は、いい映画だなと思ったけど、チョンジヒョンにはそんなに魅力を感じなかった。どちらかと言うと「リメンバーミー」のキムハヌルの方がインパクトがあったくらいだもの。
でも、この「我的野蠻女友/My Sassy Girl」ではチョンジヒョンの魅力が全開だ。すっかりはまってしまいました。
地下鉄の駅で牽牛を呼び出す放送をする彼女が好きです。

オススメの一本。日本での公開時には是非劇場に足を運んでチョンジヒョンに会って下さい。もちろん、ボクも行きます!

次回はこの日に観た三本目の映画「歴古歴古新年財/Fat Choi Spirit」をご紹介しましょう。

おしまい。