「耳に残るは君の歌声」

金貨を砂糖壺に隠すのは悲しい


  

正月寒波が去り、なんと3月下旬並に暖かさだという。晴天でこの気温だというのに、ボクは「お正月疲れ」で早起きできず、山歩きもお休み。家で炬燵のお守りだ。いや、正月貧乏で蟄居なのか。
週末に観てきたのは「耳に残るは君の歌声」。会場は梅田のOS劇場C・A・P。OS劇場では「千と千尋...」が上映されていて結構な人が入っている。「耳に残るは...」の方は35名ほどの入りでした。

クリスティナ・リッチに会うのは「バッファロー66」以来だから、2年振りぐらいですね。ぐっと大人っぽくなっているけど、雰囲気は以前のままです。
共演のジョニー・ディップがいいんだなぁ。同性ながら、ちょっと惚れてしまいます。

お話しは、1930年前後。ロシアの寒村に住むのはユダヤ人たちだ。男たちは米国へ家族を残して出稼ぎに出掛ける。残されたのは老人と女子供たち。ある日この村が襲撃に遭い焼き討ちにあってしまう。幼いフィゲレは若い男の子達と村を命からがら逃げ出す。ただ一つ、父に写真を一枚持って(この幼少時代のフィゲレを演じた少女がなかなか芸達者で、ほんとにいい、上手い!)。
フィゲレは少年たちは途中で別れさせられてしまい、彼女は一人船に乗せられて英国に渡る。ここでフィゲレはスージーと名前を変えられ、英国人家庭に養女として貰われていく。
英国で入学した学校では差別を受けたスージーは固く心を閉ざしてしまう。その一方、彼女に歌う才能があることを先生に見いだされる。
そして10年。スージーは米国へ行くためにパリのミュージックホールの踊り子になる。そして、ここの売れっ子でロシア人のローラと仲良くなり、部屋をシェアすることになる。

ここからは、オペラへの出演(このオペラに主演しているのがジョン・ タトゥーロ)。第二次大戦の戦火がパリに迫り、スージーの身に迫る危機。そしてオペラの舞台で知り合ったジプシーのチェーザー(ジョニー・ディップ)との恋、下宿の大家との交流。チェーザーとの別れ、パリから米国への命をかけての逃避行、などなど。歴史の流れに翻弄され続けるスージー。乗っていた客船が撃沈され、ほんとに命からがら米国の土を踏むフィゲレ。
歴史の上でしか知らなかった(まっ、今もそうだけど)、ロシアでのユダヤ人への迫害とジプシーに対する差別とナチスからの迫害。人種差別とは何なのかを考えさせられる。

映画の中でたびたび歌われる「耳の残るは君の歌声」のメロディが頭の中でこだまし続けていました。
涙腺が弱い方は要注意。いい映画ですのでチャンスがある方は是非どうぞ。もう暫くOS劇場C・A・Pで上映しているハズです。

次は、香港ものの「ジェネックスコップ2」をパラダイスシネマへ観に行く予定です。
おしまい。

おしまい。