「夏至」 |
色彩鮮やかなハノイの長い日 |
お盆休みを兼ねての夏休み。 母親の命日から、父親の命日までの1カ月を緩やかな時の流れの中で描いたお話し。お話しの中味はやや激しいのだけれど、画面からはその激しさは微塵も感じられない。穏やかなテンポで、1シーン、1シーンが比較的長く、ほんとに時が、感情がおだやかに流れていくように感じられる。
仲の良い三姉妹。前半はこの三姉妹が母の命日にご馳走を作る、そして、この姉妹がいかに仲が良いかが、ボクたちに判るようになっている。料理を作りながらの何気ない会話や、口から出る鼻歌がいつの間にかハーモニーを奏でることなどから。 後半になると、ガラリとお話しが変わる。一見、こんなに仲の良い姉妹だけど、それぞれが内面に抱える悩みは重く、深いことが明らかになって来る。あんなに幸せ一杯のように見えたのに...。
結局、彼女たちの悩みは解決したのか、あるいは解消されたのか、それはボクには判らない。セリフが無く、離れたショットから、ボクは想像するしかないからだ。でも「ハノイの午後から夕方にかけての静かな昼下がり。ここにも人間達の一見静かで、その内情は激しい人間の営みが繰り広げられている。それが解っただけでもいいじゃないか」。そんな気にさせてくれる映画でした。 ハノイに行きたくなること間違いなし!、です。 おしまい。 |