「アリーテ姫」

人生、自分の手で切り拓らげていかなくっちゃ


  

続けて、一階下のシネリーブルで観たのは「アリーテ姫」。
ボクはこの映画の方がお客さんが多いと思っていたのだけれど、逆でした。20名ほどの入り。

前向きというか、頭がいいというか、とっても聡明なお姫様が、困難と苦難に打ち勝って、自分の信ずる道を歩き始めるお話しです。
「千と千尋の神隠し」に続いて、とっても寓意に満ちたお話しなのです。ボクは今日観た「アリーテ姫」の方が好きですけどね。双方のお話しに、擬人化したカエルが登場するのは偶然なのでしょうか?

お姫様が「深窓の令嬢風」のお姫様ではないところがいい。最初はお姫様なのではなく、王子様なのかと思った。
このお姫様、お城にある塔のてっぺんでほとんど幽閉状態だ。友達はいない。本とチェス板が友達がわり。
窓から見える街の様子に深く興味を持っている。人間は魔法使いじゃないけれど、布を織って服を作ったり、土をひねって器を作るのも、みんな人間の手が行っていることだ。私の手だって何か出来るかもしれない。
このままお姫様として、決められたレールの上を歩いていくのはたやすいかもしれない、でも「私は人生の可能性に賭けてみたい」と思っている。
「お城の塔の中で、白馬に乗った王子様がやって来るまで待つなんてとんでもない。私は私の手で、自分の人生を切り拓いて行きたい。」

もう少し明るいキャラクターだったら良かったかな。まっすぐ素直に明るいキャラクターではなく、淋しげだったり、疲れていたり、どこか斜に構えた心の持ち主だったり。お姫様も天真爛漫な部分がどこかにあった方がいいと思います。
観終わって、たちまち元気が出る映画ではありませんが、少しほっとする作品です。ボクはこんな聡明なお姫様が国を治めたら、暮らしやすい国になるだろうな、なんて思いました。

ちょっと変わったプロペラを持つ飛行船(ヘリコプター?)や、永久機関などかわいい小物もたくさん出てきて楽しませてくれますょ。最後に出てくる「黄金の鷲」は蛇足だと思いますけどねぇ。

おしまい。