「アタック・ナンバー・ハーフ」

ゲイは身を助ける?!


  

予告編を何回も観て、気にはなっていたものの、どうも触手が伸びなかったタイの映画「アタック・ナンバー・ハーフ」をようやく観てきました。
金曜日のレイトショーにもかかわらず、30名ほどの入り。同じ「アタック」でも10倍の違いやねぇ。会場は新梅田シティのガーデンシネマ。

題材から予想される通りの展開で、新鮮味があるストーリーではないのですが、なかなかどうして面白い映画になっています。
触手が伸びなかったのは、この映画の主人公たちがゲイだから。ゲイを扱った映画は「美少年の恋」なんかで懲りているからなぁ。でも、この映画はこんなボクの考え方も偏見なんだと教えてくれる。こんな人たち(ゲイの方たち)もいるんだなぁ、と素直に認めないといけない世の中なのかもしれませんね。

お話は、タイのとある地方都市の選抜バレーボールチームが、ひょんなことからゲイばかり(一人だけ例外あり)で構成されることになり、地方予選を勝ち抜き、地区代表の座を射止めて国体に出場。
国体でもあれよ、あれよと言う間に勝ち進み、またたく間に国民のアイドル的な存在になり、ついには優勝してしまう!

多少の脚色はあるでしょうが、ベースは実話だそうです。
映画の中では役者さんが演じているけど、エンドロールのバックに本当の彼ら(彼女ら?)の試合風景やテレビのバラエティ番組に出演した時の模様が流されます。

映画の比重は、バレーよりも、彼らがゲイであることに重きが置かれていて、青春ものなのか、スポ根ものなのか、社会派ドラマなのか、ちょっとハッキリしない。
もう少しきっちりバレーボールに焦点を当てて、話を整理すればもう少し観やすく、笑いあり涙あり、そして最後には感動ありのストーリーになったのではないでしょうか?
役者さんたちには、もう少しバレーを練習させて、迫力のある練習や試合シーンを演じさせないとアカンな。これじゃボクが高校生の時に体躯の授業でやっていたバレーと変わらへんで。これで国体優勝ではリアリティがなさすぎる!

ともあれ、面白い映画であることには間違いないので、チャンスがあれば是非ご覧下さい!
この映画、純粋にタイの資本で作られたようで、タイの風物や観光地紹介なんて部分が全く無いのね。そんなところにも好感が持てたりします。
ガーデンシネマではもう少しの間、レイトショーで。心斎橋・ビッグステップのパラダイスシネマではレギュラーの上映時間でもう少し、それぞれ公開中です。

おしまい。