「LOVE SONG/ラヴソング」

ようやくスクリーンで巡り会う幸せ!


  

この日曜は久しぶりに信楽を訪ねました。
7年ほど前に知り合った(強引に押し掛けて知り合いにならせていただいた)陶芸家、岡崎勉(おかざきつとむ)さんの個展を見に行き、岡崎さんの家に遊びに行って、それから三重県の阿山町にある「モクモク」という観光農園でお昼ご飯をいただくコース。
岡崎さんとは妙な縁で、10年ほど前に岡山で岡崎さんの作品とは知らずにコップを買ったのがそもそもの始まり。
その後、このコップと同じモノを「信楽陶芸祭」で売られているのを発見し、作者が信楽の人らしいと知りました。
再び、岡山でこのコップが売られているのを見つけて、作者が岡崎勉さんという方だと判明。信楽の陶芸会館で調べてもらって確認。
その後、電話を掛けてお宅まで押し掛けて行ったのです。
岡崎さんはボクより4、5歳上の方ですが、とてもそうは見えない若々しい方です。何も知らなかったら、陶芸家というよりも「ふつうのおっちゃん」って感じですが、暖かみのあるとても素敵な方です。
作品はもちろん、岡崎さん(とその奥さまとご子息)の人柄にすっかり惚れてしまい、以来、半年に一度程度遊びの行かせてもらったり、個展に呼んで頂いたりしています。
拙宅でまずい食事を食べていただいた経験をお持ちの方は、一度は岡崎さんの器を使っていただいているはずですけどね。
肉厚でシンプル。飾りがないけれど、暖かい。とても素敵な器です。

で、その前日の土曜は京都まで足を伸ばして映画を観てきました。

原題は「甜蜜蜜」。日本のタイトルは「LOVE SONG/ラヴソング」。
レオン・ライとマギー・チャンが主演のぴりっと締まったとっても素敵な恋愛映画。
以前から観たい、観たいと思いながら観られず、数ヶ月前にNHK教育で放映されたのを録画して観て、ボクが惚れ込んでしまった名作です。いつかは映画館のスクリーンでで観たいという願いがようやく叶いました。
会場は近鉄の東寺から東へ数百メートル行った所にある「京都みなみ会館」。パチンコ屋さんの2階です。観客は40名ほどで、土曜の朝にしたら「大入り」ですね。

同じ日に同じ列車に乗って、中国から香港に移民してきた二人が、偶然に出逢い、そして別れる。
それだけのお話なんだけど、観る者の心を熱くして、溶かしてしまう、そんなお話しなのです。
テレサ・テンのヒット曲が、メロディも歌詞もとても上手く使われていて、印象的。

純で、何事にでも、誰に対しても正直な青年(レオン・ライ)と、計算高いけど情に流されるところがある女(マギー・チャン)が不思議な魅力を見せてくれます。
この映画には「ああすれば良かった」という「後悔」が一切ないのね。主人公の二人は、その時の「今」を精一杯生きていて、その時の自分と自分のした選択にとても誇りを持って生きているように見えます。
こんな二人の生き様がとてもいい。そしてうらやましい。もっと言えば「妬(ねた)み」さえ覚えてしまう。

マギー・チャンのどこか「小悪魔」的な美しさには、惚れ惚れしてしまいます。「花様年華」の時とはまた違う魅力です(この時は極限まで抑制された美しさを感じさせてくれましたよね)。
計算高くて、鼻っ柱の強そうな反面、今にもしおれてしまいそうなか弱さも併せ持っている。
そんな彼女に対して、レオン・ライは小細工無しで、いつでも真っ向から直球勝負。そんな正直者の彼に、男から見ても惹かれてしまう。

ストーリーの詳細はここでは細々と申しません。まぁ、いっぺん観て下さい。

京都みなみ会館での上映はもう終了してしまいました。次はいつ上映されるか分かりません。
ビデオで観ても十分面白い作品ですので、是非ご覧下さい。

おしまい。
(今回は映画と関係ない話が長くてごめんなさい)