「チング」

韓国の“旬”を観る


  

ゴールデンウィークを楽しくお過ごしでしょうか?
私は、3泊4日で韓国はソウルへ行って来ました。今回は他の街には行かずソウルだけでゆっくり(?)休暇を楽しみました。いつもの定番の食事を食べて、たくさん歩いて、市場を見てきました。
初めて挑戦したのは散髪。「ソウルカット」で、男前になりました(!)。

昨年の4月にソウルで「インタビュー」というシム・ウナさまの主演映画を観てきましたが、今回は至るところにポスターが貼られていて、韓国で最大の上映館数を記録しているという映画、「チング」を観てきました。
「チング」とは「幼なじみ」という意味だそうですね。漢字で書くと「親舊」のようです。

最初は「インタビュー」を観た「ソウル劇場」で観ようと思っていたのですが、お昼過ぎに劇場に着くと20:00の回まで「売り切れ」。ソウル劇場は7つか8つの劇場があって、そのうちの2館でこの「チング」を上映しているのですけどね。ちなみに、もう一つの人気映画はあの「ハンニバル」です。ソウルでもレクター博士は人気が高いようですね。
この日は友人と夕食を一緒に食べる約束があったので、22:10からの最終回の座席券(=入場券・韓国の映画館は全席指定席で立ち見は基本的にできません)を買いました。
が、夕方になって、急遽一緒に食事をするはずの友人も「チング」を観ることになり、待ち合わせ場所の「新村(=シンチョン)」の映画館で観ることになりました。ところが、ここも3館あるうちの2館で「チング」をやっているのに満席。でも、ここは補助席を発売していて、20:00からの回を観ることができました。
場内は当然「超満員」。10代という若者は少なくて、下は大学生風だけど少数派、20代後半から40・50代が多いようです。男女は半々くらいかな。

ハングルがほとんど判らないので、ストーリーは「推測」でしかないのですが、おそらく大きくは外れていないと思います。
港町・釜山の下町で生まれ育った幼なじみ4人組。夏休みは古タイヤのチューブで作った浮き輪につかまって海で遊ぶ仲良しだ。
4人は成長して、高校生になる。Qちゃん(チャン・ドンゴン)、ハ・ソッチュ(ユー・オソン)は勉強は駄目だがケンカには自信がある。他の二人は勉強ができるマジメな奴とひょうきんな男だ。
時は流れて、Qちゃんとハ・ソッチュはそれぞれ対立するヤクザ組織に入ってのし上がって行く。しかし、組織の対立が険しくなり、いつしか二人は抗争の矢面に立たされ、対決を余儀なくされる。
ある雨の日、ハ・ソッチュはQちゃんの待つクラブに尋ねていく。「お互いの対決は避けられそうにないから、おまえ、ハワイにでも行かないか」「おまえこそハワイに逃げろよ」
物別れに終わったこの会談。雨の中、クルマに戻ったハ・ソッチュ。その後を追うように出てきたQちゃん。そのQちゃんにハ・ソッチュの手下が襲いかかる。
あんなに仲の良かった4人だったのに、時の流れはこの2人をもう戻れないところまで押し流してしまったのだ。

ヤクザを賞賛するお話ではなく、誰もが経験したことがあるであろう「時の流れの無情さ」を描いた作品になっています。だからこそ、中年層を中心とした大人が共感して、このヒットになったのだろうと思います。しっかりとした訳の字幕が付いてから、もう一度じっくり観てみたい映画です。
(「Qちゃん」はチャン・ドンゴンがオバQに似ているから、「ハ・ソッチュ」も以前ヴィッセル神戸にいたハ・ソッチュにユー・オソンが似ているからボクが映画を観ながら勝手に付けたニックネームです、映画の中ではそれぞれ別の役名がついています)

おしまい。