「わすれな草」

やられた!なさけないぞエリック!


  

冷たい雨の一日を締めくくったのが、同じくシネリーブルでレイトショー公開されているエリック・ツァンとニコラス・ツェエーが主演している香港映画「わすれな草」。
この映画、予告編がとても良く出来ていて、テレサ・テンの曲がかかって、ノスタルジーの漂う名作やと思ってんけど「あかん」。「やられた!」って感じ。「中華英雄」はこんなもんやろと思ってたからどうでもええねんけど、この「わすれな草」は期待してただけに受けるショックは大きい。でも、落ち着いて考えてみると、それなりに良くできているけどね。もう少しだけ脚本をいじればもっといい映画になったと思いますが、いかがなもんでしょう?

エリックとニコラスの他には、またまたサム・リー(この人もほんまに「狂気」な役が多いね、キレてるのは芝居なのか地なのかどっちかなぁ)、スー・チー、ケリー・チャン、テレンス・イン、若き日のエリックの役でステーブン・フォン、そして「宗家の三姉妹」でお母さん役だったエレイン・ジンがニコラスの母親役で出ています。うーん、この映画も若手スター大集合だねぇ。
雨の中、盗んできたグランドピアノの下で二人が雨宿りしながら昔話をするシーンとか、いいショットはいろんなところにあるんだけど、なんかもうひとつ掴みきれてないよね。ニコラスの幼なじみの女の子(「花火降る夏」に出ていた狐顔の女の子)は一体どうなるのか、ニコラスがテレンス・インから借りたままの金は何に使ったのか、ニコラスの父親はエリックではなく本当に警官なのかなど未整理のままのサイドストーリーがあるので、話を整理してエリックとニコラスの関係にもっと焦点を合わせた方がいいのではないかな。ケリー・チャンもほんとにどうでもいい役だしね(いっそのこと、父親が同じで、実は腹違いの兄妹という設定でも面白いね)。
エリック・ツァンは確かに情けない中年(老年?)役なんだけど、好演してます。法螺話はもっとスケールが大きくて、リアリティがある方が良かったね。

抗争に敗れてブラジルに潜んでいたヒョウというヤクザが30年ぶりに香港に帰ってきた。抗争相手の九龍に復讐するためと、その抗争の原因になった女に会いたくなったからだ。30年過ぎた香港の変わり様に驚くヒョウの前に現れたのが街のチンピラ、スモーキー。ヒョウは復讐の助っ人としてスモーキーを雇う。最初はヒョウのことを「うさんくさいオヤジ」だと思っていたスモーキーだが、話を聞くうちに次第にヒョウに惹かれていくというか親近感を覚えていく。だが、実はヒョウの話のほとんどは法螺話だとわかり.....。

あんまり期待しないで観ると、実はいい映画なのかもしれません。4/27までシネリーブルでレイトショーで公開されています。

おしまい。