「ぼくの国、パパの国」

予告編を超えられない


  

日曜日の東京行きからスターとした「出張ウィーク」も、昨夜福岡から戻ってきて、ようやく終了。大阪→東京→仙台→大阪→豊岡→大阪→高松→福岡→大阪。ほんとうに今週はよく移動しました。飛行機と新幹線は偉大ですね。この間に季節も巡り、高松や福岡では少し暑いぐらいでした。春がそこまで来ているようですね。

さて、そんな出張の合間に観てきたのは、英国映画「ぼくの国、パパの国」。会場は新梅田シティのガーデンシネマ。平日の最終回だからか、地味な映画だからか、10名と淋しい入り 。

1970年代のイギリスが舞台。お父さんはパキスタン人、お母さんはイギリス人で、子供は男6人、女1人という大家族のホームドラマ。パキスタン式の伝統や生活様式、考え方を押し通そうとするパパと、英国で生まれ育った子供達との軋轢を描いています。

いろんな都市に、移民が集まってリトル・トウキョウとかチャイナタウンとかを作るのは、中国人や日本人ばかりだと思っていたけど、パキスタン人もそうなのね。この家族は、そんなパキ街に住んでいるのではなく、英国人が普通に住む住宅街でフィッシュアンドチップスのお店を一家で経営している。休みの日に出掛けていくのはパキ街。そこはそのままパキスタンの街のようで、看板も店に並んでいる商品も、上映されている映画もパキスタン。

パパは、パキスタン流に、一家の長たる父親が決めたことに家族が従い、イスラムの教えに背かない生活を望み、実践しているんだけど、子供やママは、こんなパパの押しつけに我慢できない。ことあるごとに家族が衝突して、その度にパパの暴力が解決してしまう。だから子供たちやママには青あざがたえない。だけど、そんなパパをママは愛してるし、子供も渋々それを認めてる。

物語の最後も、全然ハッピーエンドじゃないし、この家族が抱えている問題点が何一つ解決されていないだけに、心の中に「?」が何個も点滅する映画でした。
特筆すべきなのは、この映画の予告編が、とても良く出来ているということ。ホントはこの映画は観ようともなんとも思っていなかったけど、思わず足を運んでしまいました。でも予告編にこの映画の全てが凝縮されていて、実は予告編を観ればもう本編を観なくてもO Kなんです。こんな映画も珍しいね。 3/17までガーデンシネマで公開中です。

おしまい。