「こころの湯」

お風呂に入ってほかほか気分に


  

今週は週の初めがとても寒くて、いよいよ「冬の足音」が聞こえてきたようですね。勤務先の給湯室の窓から見える街路樹がずいぶん色づいてきました。もうすぐすると、コートで身をくるむ季節になるんでしょう。

東京で一回観たんだけど、もう一回観ることにしました。今度、天六で朱旭の主演映画がかかることだしね。
以前に観たときも思ったんだけど、なんかホッとする映画ですね。劇的なことが起こるわけでもなく、北京の下町で今日も繰り広げられているであろう日常の一コマを切り抜いてきた作品なんだけどね。

同じ映画を二度観るのはちょっとした冒険だ。
作品によっては、がっかりすることもある。でも、一度目には見逃していた(意識していなかった?)話しの伏線を見つけられたり、台詞やギャグの意味がようやく分かったりすることもある。
この「こころの湯」は二度観ても「いい映画」でした。

日頃はシャワーで済ませることがほとんどだけど、この日は「ゆっくり湯船につかってお風呂を楽しみたい。温泉に行ってみたいなぁ」なんて、思いましたよ。湯船にお盆を浮かべて、ボクならよく冷えたビールをグイッといきたいですね。カプチーは我慢できなくて、この映画を観てすぐに温泉へ行ったそうですよ!

細かいエピソードが良く練られていて、観ていて気持ちがいい。
借金取りに追われる幼なじみ、コオロギの飼育(?)を趣味にする常連客、水をかけられていないと歌えない青年、夫婦の不仲を直す特別の薬湯などなどほんとに観ているだけで心が温まりますね。

決して、ハッピーエンドではなく、この後兄弟二人はどうするんだろう? 大明の奥さんは上手く説得できるのかな? なんて思うんだけど、きっと仲良くやって行くんだろうな。そんな気にさせてくれる。
日本でもそうなんだけど、中国でも都市部では、人情よりも合理性や拝金主義が幅を利かせて、だんだんこの映画に描かれているような風情は消えて行くのでしょう。淋しいような気もしますが、仕方ないような気もします。

残念ながら、上映は11/9で終了してしまいました。おそらくビデオかDVDになるでしょうから、それでご覧になるか、何かの機会に上映されるチャンスをお待ち下さい。

おしまい。