「リトル・チュン」

香港1997のスナップ写真


  

折角の日曜日だというのに、今日は雨模様です。昨日の土曜は丹後の田舎へ行って来ました。田舎の実家で母親を降ろして、単身「依遅ケ尾岳」という山へ。丹後半島の先っぽにある540メートルの山ですが、以前登った氷ノ山の山頂からも見えるちょっと特徴のある山容をした山です。登山道入り口にクルマを置いて、そこからは予想通り急登につぐ急登で高度を稼ぎます。でも「だいたいこれくらいやろな」と思っていた通りの山で、とにかく静か。自分の落ち葉を踏みしめる足音だけ。少し向こうの茂みでガサガサっと音がしたと思ったら雄のキジが飛び立っていきました。しばらくして今度は木のこずえで何か音がすると思って見上げるとリスがちょろちょろ木の上を走り回っていました。丹後は自然がたっぷり残っています。だらだら休憩しながら約1時間。頂上に到着。風のないおだやかな朝、日本海からの潮の香りがしました。北、西、東の眼下には日本海が見渡せ、間人(たいざ)や網野の街が見えます。南側は果てしなく続く山々。西を見やれば「あれが氷ノ山で、そっちが扇ノ山だろうか」。コーヒーを沸かして、山頂の祠においてある「登頂記念」の焼き板をお土産にいただいて帰りました。

さて、今回ご紹介するのは、先週の日曜日(11/26)に観た「リトル・チュン」。香港の作品ですね。フルーツ・チャンという監督の「香港三部作」の三作目、「メイド・イン・ホンコン」「花火降る夏」に次ぐ作品です。どれも97年の香港返還をベースにして、それぞれの年代における香港返還が取り上げられています。
「リトル・チュン」は9才の男の子。家業は食堂。昔、女優をしていた祖母とフィリピン人のメイドさんに育てられている。小学生にしていかにもすれっからしの「香港人・ホンコンヤン」的な発想の持ち主なんだけど、どこか憎めない。リトル・チュンは旺角(モンコック)に本当にいそうな子供だ。旺角って香港らしい「いいところ(?)」なので、香港に行くチャンスがあれば是非行ってみて下さい、表通りだけじゃなく、裏通りもね。
このリトル・チュンの目を通しての香港返還が描かれているんだけど、何も難しいことが言われているんじゃなくて、この年(1997年)にリトル・チュンと同じ名前の香港の国民的スター「ブラザー・チュン」が亡くなったことや、勘当された兄を捜したり、大陸からの不法移民の子供ファンとの淡い恋心(?)なんかが割と淡々と描かれている、なんかスナップ写真を見ているような感じの映画です。

リトル・チュンとファン、そしてファンの妹の3人でチムチャーソイ尖沙咀の香港島が見える海岸(九龍シャングリラの東側の遊歩道)でカウントダウンするシーンは可愛かったけど、なんかモノ悲しい気分にさせられました。香港人が目にする大陸から来た中国人はファンたちのような貧しい暮らしをしている人か、湯水のようにカネを使うバカな奴なんだろうなぁ。
ファンもリトル・チュンもみんな役者じゃなくて、普通の人が演じています。このファンがフルーツ・チャンの次回作にも主演しているということなので今から楽しみです(「ドリアン」というタイトル)。
香港好きには楽しい映画かもしれないけど、そうじゃない人が観たらあんまり面白くない映画かもしれません。そのせいか、公開2日目でしたが、パラダイスシネマで10名程度の入りの淋しいものでした。

先週の土曜日は「ようやく」行って来ました「ライオンキング」。「よかった!もう一回みたいな」。なんか夢の中の国にいるみたいな気分でした。
気が付けばもう12月ですね。風邪を引かないようにがんばって行きましょう!
先週の日曜日に書いたので、少しネタが古くてスイマセン。

おしまい。