「君さえいれば/金枝玉葉」

男装のアニタ・ユンがかわいい


  

連休の初日は珍しく特に予定もなかった(金曜なので競馬もないし)ので、少し古い香港映画を観にいきました。ここ数年秋に大阪国際交流センターを中心に「アジア・フェスティバル」が開かれるのですが、映画の上映会もあります。今年も中国・韓国・香港の映画が上映されます。
で、この日観たのは「君さえいれば/金枝玉葉」。94年の作品です。100名は入れる小ホールにたったの11名で、大いに淋しい。人気作やけど、少し古いし、テレビで放映されたし、ビデオでも出てるし、それにこの会場が映画専用ではなく「映画の上映もできる」程度のホールだから仕方ないかな。今までの経験によれば、観客数と映画の質は必ずしも正比例しないので、こんなこともあります。

出てくるのは、レスリー・チャンとアニタ・ユン。この二人が主役で、あとはカリーナ・ラウと小春ちゃんも出ています。香港の芸能界の舞台裏を描いたラブ・コメディ。売れっ子プロデユーサーのサム(レスリー)と超人気歌手のローズ(カリーナ・ラウ)は、香港中の人が羨むカップル。でも、レスリーはローズと少し距離を置きたがっている。そこで、新しい仕事で「やり甲斐」を作ろうと、男に限定した新人オーディションを開くことにした。
芸能界オタクで、女なんだけど、ボーイッシュな体型と顔立ちのアニタ・ユンが男に変装して受験したところ、何故か合格してしまうのね。ここから、おはなしはウ〜ンと面白くなります。

レスリーは男であるアニタ・ユンに徐々に惹かれていく。ある日「ウェイ(アニタ・ユン)はゲイだ」というウワサを耳にしたレスリーは、ウェイに惹かれている自分もゲイじゃないかと妙に深刻に悩んでしまうのね。悩みすぎて失踪までしてしまう。香港でゲイはタブーじゃなくて、どっちかというとオープンで開放的なんですけどね。でも、レスリーがどうして、アニタ・ユンに惹かれるのか、もう少し説明してほしかったな。
それにしても、レスリーとローズが住む豪華マンションは凄いね。同じマンションの上下に別れて住んでるんやけど、上の階の床下と下の階の天井が隠し階段で繋がっていて、好きなときに行き来できるよになっています。どの部屋も豪華にかっこいい。こんな部屋に住んでみたいなぁ、と思わせます。 そんなレスリーの部屋に男・アニタ・ユンが同居するから、話はどんどん盛り上がります。ラスト近くからアニタ・ユンが女に戻るんだけど、どう見ても男に見えてしかたありません。

バタバタしたシーンが多くて、しかもロケよりスタジオセットで撮ったシーンがほとんどなので、香港の景色や雰囲気が楽しみたい向きには不向きですが、とても楽しい作品です。スケールも大作というよりも小品ですが、品のいい楽しい映画なので、チャンスがあれば是非ご覧下さい。

おしまい。