「フォーエバー・フィーバー」

俺にも(私にも)できるはず!


  

一気に秋めいてきましたがみなさんお元気ですか?
17日は思いっきり早起きして、兵庫県の最高峰である氷ノ山へ行って来ました。これで、4週連続の山行です。登山口の駐車場へ着いて身支度を済ませるとだんだん空が明るくなってきて、少し強い西風に吹かれると「寒い」くらいです。「ヤッケ持ってきて良かった」。歩き始めてしばらくすると夜が完全に明け、今日は快晴!空気が冷たくて、秋の雰囲気です。森の中はあんなにうるさかった蝉の音も聞こえず、強い風が吹き鳴らす木々のざわめきがするのみです。一汗かいて稜線へ。鳥取県側から強い風が吹いてきます。その後はピクニック気分で稜線伝いに山頂へ。立ってられないほどの強風で、汗をかいた身体が冷え切ってしまいました。でも身体一杯に初秋を感じた気持ちのいい山行でした。

さて、大阪での公開が先週の金曜日で終わった「フォーエバー・フィーバー」をもう一度観に行きました。木曜日の最終回。場所は梅田のガーデンシネマ。休日前だというのにお客さんは、私を含めて11名とかなり淋しい。これじゃぁ、予定通り2週間で公開終了するわなぁ。残念。面白い映画だから、ぎょうさんの人に観てもらいたかったんやけど...。

前回観てから阪神百貨店の「Brizze」でこの映画の輸入盤のサントラまで買ってしまいました。次に行った時には枚数が減っていたので、私以外にも買った人がいたのか、返品されてしまったのか...。昨日行った時には、もう1枚もありませんでした。
やっぱりシンガポールの映画ってマイナーやねんなぁ。主人公のホックもカッコイイわけやないし、ごっついかわいい女の子が出てくるんでもないしなぁ。なんでこんなにお客さんが入らへんかったんやろう。シンガポールは海外旅行の入門編としての認知度は高いけど、旅先としてのリピーターは少ないし、住んでみたい場所でもなさそうやしな、置かれている位置がちょっと中途半端な感じやもんな。

時は1977年。スーパーに勤めるホックは、ブルース・リーにあこがれるちょっと「あか抜けない」カンフー大好き青年。ある日、友人と映画館へ出かけると、かかっていたのは「フォーエバー・フィーバー」(ジョン・トラボルタの「サタデー・ナイト・フィーバー」のことね)。
「フィーバー(熱)って、この映画、難病ものか?」と言うホックのセリフには笑えます。乗り気がしないまま映画を観ているうちにすっかりダンスにはまってしまうのがかわいい。
翌日から、幼なじみのメイをこっそり誘ってダンス教室に通い始める熱の入りよう。同じ映画を二度観るというのも意外といいもんやね、初回は筋を追うのに一生懸命やけど、二回目はもう展開は分かってるから、画面の細かいところにまで目が行きます(その分アラも目立つけど)。

何気ないシーンで、メイがホックに気があること、でもホックはメイのことを単に「幼なじみ」としか見ていないことを分からせます。スクリーンから抜け出してきた「偽・トラボルタ」に「どうして、ダンスが上手くなりたいんだ?」「どれぐらい熱意をもってるんだ?」と尋ねられて「バイクが買いたいから」とか「凄く!」としか答えられないホックの言葉に観てるこっちはイライラさせられます。「そりゃ、ちゃうやろ、ホック」「メイの気持ちも分かってやれよ!」って

美人の新しいパートナー、ジュディと練習の帰り道に「去年ニューヨークに行った」とか「私の理想の人はヌレイエフなの」なんて聞かされて、住んでいる世界の違いをさらっと気づかされて、少しかわいそうやね。ホックのできのいい(はずの)弟が、実はゲイ(?!)で、性転換の手術を受けたがっている、というサイドストリーには笑ってしまいますが、1時間半くらいの長さを一気に観させる面白さが詰まった、ほんとに良い映画です。

ホックは結局最後まで「あか抜けない」青年なんだけど、観ている側に「こんなホックにでも出来るんやったら、俺にも(私にも)できるはずや!」って、希望を抱かせてくれる映画やね。

いつかそのうちビデオにもなるでしょうし、テレビででもやるでしょうから、チャンスがあれば是非ご覧下さい。

おしまい。