「Interview/インタビュー」

ソウルでシム・ウナさまの新作映画を観る


  

もう4月だというのに肌寒いですね。来週の「桜花賞」にサクラは間に合うのでしょうか。なかなか「春うらら」にはなりませんね。

先日の3/25(土)にたかお先生と猪名川の高岳(721m)に挑戦してきました。高くない山だしアプローチも短そうだから「楽勝!」と思っててんけど、しんどい、しんどい。完全にバテました。おまけに、地図をちゃんと読めなくて「あと100mは登らなアカンな」なんて思ってたら、いきなり感動も何もない山頂に到着。歩き始めてすぐに雨からみぞれに変わり、そして雪。この雪が降り止まず一面の雪景色になりました。トレーニング不足と心の油断で今までで一番しんどい山行でした。それでも、途中でシカを見れたし「よし」としましょう。

さて、今回ご紹介する映画は、私のひいきであるシム・ウナ主演の最新作「インタビュー」。会場は「ソウル劇場」。4/1(土)が封切りです。この日の新聞に「ソウル劇場の初回上映前に、主演俳優と監督の舞台挨拶があります」と載っていたので、ナマのシム・ウナを見られると喜び勇んで出撃しました。

上映1時間前に劇場に到着しましたが、そこには既に長蛇の列。もう少しでチケット発売窓口というところで無情の売り切れ。ガ〜ン!。韓国の映画館は基本的に全館指定席で、立ち見はないのね。ここでそーさんが劇場の偉そうなオジさんをつかまえて「日本から来てるんだけど、この回でないと飛行機の時間に間に合わない!」と交渉したところ、待つこと数分。このオジさんがどこからかチケットを2枚持ってきてくれ、無事に入場できました。韓国は言ったモノ勝ちやね。ちなみにチケットは約600円。ソウル劇場は800名くらい入れるたぶんソウルで一番の映画館。ここがもちろん超満員。日本の映画館に較べると、少し傾斜がきつくてその分見やすくなっています。

満員の観客がシム・ウナの登場を今か、今かと待っています。この映画の製作者や監督が紹介され、そして、主演の登場、と思いきや彼女はキャンセルされて主演の男優(この人もかっこいい)だけが出てきて、がっかり。カメラのフィルムも入れ替えて、気合い入っていたのになぁ。

お話は、普通の人のインタビューを構成してドキュメンタリータッチの映画を作っていこうとしている映画クルーが主人公(舞台挨拶に来ていた男優さん)なのね。そのインタビューを受ける側の一人がたまたまシム・ウナという設定。彼女はインタビューの中で「私は美容師の見習い。もうすぐ美容師の資格試験があるので一生懸命勉強しています。彼は軍隊(韓国の男子は全員2年間の徴兵がある)へ行っていて、週に何回か手紙が来るのを楽しみにしています」と答えるのだけど、それは彼女がよく行く美容院の女の子の話で、本当の自分の話ではなかった。シム・ウナはバレエのダンサー。恋人は軍隊に行っている時に事故か何かで死んでしまい、そのショックで自殺を図ったけれど、死にきれなくて病院から退院してきたばかりだったのね。
カメラマン兼インタビュアーの主人公はシム・ウナへのインタビューを重ねていくうちに、どこか影のある彼女にどんどん恋していく。ある日、ソウルから離れた場所にある部隊の駐屯地にいる恋人に会いに行くというシム・ウナに同行することに。駐屯地に着いたシム・ウナは部隊の入口には向かわず、墓地の方へ歩いていく。事情を知らない主人公はおかしいなと思いながらもカメラを廻し続ける。恋人の墓の前で「私はあなたの前に来ました。あなたは瞼を閉じるといつも私の前にいてくれるのね」とつぶやき、涙を落とす。
彼女は、インタビューを受けることで、自分の作った虚像と現実が解らなくなってしまい、自分を見失いそうになっていたのですが、このお墓参りを通じてカメラの前に本当の自分をさらけ出して、ようやく自分を取り戻したのでした。この映画が完成し(たぶん、シム・ウナのインタビューはカットされて)、その完成披露パーティーを抜け出したカメラマンは公園を散歩する、そしてベンチに座っているシム・ウナを見つけ、隣に腰をおろす。「やっと、カメラがないところであなたと話ができたわね」(でも、ここから二人の仲が盛り上がるという印象はない)と言って、彼女は立ち去っていくのでした。

この映画の見どころは、なんと言ってもシム・ウナの美しさ。彼女は韓国の吉永早百合のような女優になるような気がします。1時間40分ほどの長さやねんけど、言葉は99%判らないし、時間の流れがとても複雑な構成になっていて、ストーリーもあんまりわからへんかってんけど、ほぼ全編に彼女の美しい顔と姿があり、それだけで充分満足でした。上に書いたストーリーも映画の後にご飯を食べながらそーさんに教えて貰い「そーやったんか」とやっと解った次第です。何かのギャグで劇場中がどっと沸いても、その意味が判らずポカンとしているには意外と淋しいものですね。途中、シム・ウナの顔がスクリーン一杯にアップになったところで、何を思ったのかフラッシュがたかれ、場内大爆笑になった時だけはみんなと一緒に笑えました。この映画が日本に輸入されて字幕が付いたら是非もう一度観たいですね(ストーリーが全然違ったりして)。 予定外だったソウルで初体験の映画鑑賞。ナマのシム・ウナに会えなかったのは残念でしたが、とても楽しい経験でした。


さて、もう一つ。今回の訪問でソウルから約200キロ南にある群山(クンサン)という街へ行って来ました。ここは「8月のクリスマス」のロケが行われた街なのです。ジョウォンの写真館は取り壊されて駐車場になっているし、シム・ウナがアイスキャンディーを食べていたポプラの木は切り株だけになっています。でも、街には映画に使われた場所があちこちにあって、映画の面影に浸るだけでも楽しいクンサン詣でになりました。ソウルもいいけど韓国の地方都市にはまた違った趣がありますのでチャンスがあれば地方へも是非お越しください。
韓国の友人にこんな理由でクンサンへ行ったと言ったところ「韓国人には理解できない」とバッサリ否定されちゃった。でも、韓国では中山美穂の映画「Love Letter」が大ヒットして、小樽・札幌へ行く新婚旅行やツアーが大人気らしいんだけど...。

と言うことで、今回の韓国は「シム・ウナ」と「食い気」で楽しい旅行でした。皆さん一生懸命仕事していたのに、お休みしてすいません(もっとも、私は毎週リフレッシュやけどね)。
次回は、老人がトラクターにのって旅する映画か、シネ・ヌーヴォーの中国映画祭へ行く予定です。

(今回はちょっと長いね。オシマイ)