「時のかなたの恋人」

新潮文庫 ジュード・デヴロー 777円


  

このところ忙しくてあまり本を読めなかった。いや、本以外のテキストを読むことが多くて、余暇の時間にまで文字を追うのがイヤだったのかもしれない。
まぁ、それはさておき、以前何かでメモしておいた本を買う。映画が始まるまでの時間つぶしのつもりだった。結局買った当日にページは開かなかったんだけど...。

緻密な仕掛けがあるわけでもない。格調高い文学性があるわけでもない。それでも、そんなことは関係なく「この本は面白い」のだ。
ほころびがそこかしこにあり、ご都合主義で、自己中心的なのだが、それでもグイグイと読者を引っ張っていく魅力に満ちた(?)荒唐無稽なこの物語の世界に引き込められること「間違いなし」。

米国のメイン州で小学校の教師をしているダグレス。子連れの恋人と英国へ旅に出たのだが、とある教会の前で喧嘩別れしてしまう(捨てられた?)。途方に暮れた彼女の前に現れたのはニコラスだったが...。

読みながら頭の中に描いていたのは...、ダグレスにはボクのお気に入りレニー・ゼルヴィガーがいいなぁ、歳も雰囲気も彼女にぴったり。ニコラスにはヴィンセント・ギャロがいい。そんなことを考えていた。
映画化するには難しいかもしれないけれど、このストーリーは不思議な魅力に満ちている。

著者については何にも知らなかったけど、米国では著名な作家らしく、多くの作品を書いているそうです。日本ではこの本の他には「心すれちがう夜」(ヴィレッジブックス)が出ているだけのようです(この本も読んでみよう)。

気楽に読めるなかなかオススメの一冊です。
96年の発行なので、なかなか置いてある書店さんがなく、梅田の紀伊国屋さんでささっていたのを買いました。もし、近所の書店さんにご注文の場合、ISBN=4102476016です。

おしまい。