「死よ光よ」 |
デイビッド・グターソン 講談社文庫 838円 |
いささか時間があいてしまい、どんなストーリーだったのか思い出すのに苦労する(スイマセン)。アメリカは西海岸にあるワシントン州が舞台。ここに長く住む老医師が主人公だ。 彼は覚悟を決めている。 何の覚悟なのか、それは自分の意志でこの世と別れを告げる覚悟だ。でも、彼は自分の死を自殺だとは悟られたくはない。あくまでも不慮の事故の結果だと演出したいと思っている。そのために様々な痕跡を残して彼は最後の狩猟へ出掛ける。彼の演出は、野鳥を撃ちに行き、銃が暴発する、その結果...、というものだ。
しかし、世の中なかなかうまく行かないのだ。
なんのことはない。この老人は充分な装備を準備していたのに、それらは次々と剥ぎ取られてしまい、様々なものをこのワシントン州の荒野に置いてきてしまう。その結果、困難を克服するために努力し始める。
決して重く沈み込んだ気持ちにはならない。かと言って軽くもないけどね。
書き込まれている訳ではないけれど、アメリカの自然の素晴らしさ、奥深さが行間を埋めているし、アメリカの階級というか、歴然とした貧富の差にも驚いてしまう。
もうずいぶん前のことなので、どこで買ったかは忘れちゃった。 おしまい。 |