久しぶりに翻訳もののミステリーを手に取る。
少し前から、新刊コーナーに積まれていて気になっていたが、なかなか順番が回ってこなかった。
エジプトものと言えば「秘宝」「リバー・ゴッド」は昨年楽しませてくれた。この「カンビュセス王の秘宝」はどうかな? 上下組のなかなかのボリューム。
結論を先に言うと、「尻すぼみ」な小説。
特にラストは急ぎすぎてしまったのか、恐ろしく散漫な印象を受けてしまう。気が付いたら「誰もいなかっt」って感じ。
もちろん、こっちは読み散らすだけで、作り手側の努力や苦労は一切省みない。
こんなに手の込んだプロットを考えるのは凄いと思うし、これだけの文章量をひねり出すのも一苦労だろう。
二転三転するストーリー展開、入組んだ人間関係はなかなか良く出来ています。
でも、最後の詰めが少し甘いだけで、読了後の満足感は大きく変わってしまう。ちょっともったいないね。自作には大いに期待したいです。
まずまず。
仕事の途中に紀伊国屋梅田本店で購入。読みやすいですよ。
おしまい。
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