「ヘルズ・キッチン」

ジェフリー・ディーヴァー ハヤカワ・ミステリ文庫 940円


  

「ボーン・コレクター」や「静寂の叫び」で知られるジェフリー・ディーヴァーがウィリアム・ジェフリーズ名義でペーパーバックに書き下ろした作品。ハヤカワ・ミステリ文庫では著者名はジェフリー・ディーヴァーになっている。
正直言って余り面白くない。これが同じ作家の作品なのかと疑いたくなる。

ニューヨークの一角にあるヘルズ・キッチンという場所にあるアパートにドキュメンタリー映画の取材に訪れていた主人公・ジョン・ペラムが、このアパートで起こった方か事件に巻き込まれる場面からこのお話しは始まる。しかし、登場人物にも謎解きにもさほど魅力は感じられない。
筆者本人にとっては息抜きのつもりで書いた別人名義の作品なのかもしれない。

それなら一層のこと、このアパートが建てられた当時の話しと現代の話しをシンクロさせて、火災の原因を遥かか100年前のニューヨークに求めた方が良かったんとちゃうかな? そうすればゴダードの作品のようにこの物語にも重厚感が出たように思う。

まぁ、期待が大きかっただけに失望も大きいと言うことか。
おひまな折にでもお読みください。

おしまい。