ゴールデンウィークをみなさんいかがお過ごしですか?
前回の京都・皆子山に続いて行ってきたのは奥播磨の1,000m級・黒尾山(くろおやま・1,024.7m)。しかも平日登山としゃれこんでみました。
朝の4時過ぎに自宅を出て、途中森の世捨て人さんの家に寄り、後は中国道を西へひた走る、今日は二人のパーティ。山崎ICで降りてR29を北へ向かう頃にはすっかり明るくなっている。一宮町に入り、安積橋を渡り、伊和高校前の一つ北の交差点に「黒尾山登山口」の看板がある。実は、森の世捨て人さんもボクも、この看板が以前から気になっていて、それで今回の山行になったわけです。
指示に従って走っていくと、林道へ。やがて、目の前には鉄の柵で作られたゲート。イノシシ避けのゲートだ。「このゲートは施錠されているので鍵を取りに来て下さい」と登山者向けの告知があるが、鍵が掛かっていない様子なので、ゲートを開けて通過する(もちろん、通過後にゲートをしっかり閉める)。
どこまでこの林道を上がって行けるのかちょっと不安だったが、取り敢えず行けるところまで行ってみよう。ダートの林道を走りグングン高度を稼ぐ。 ちょっと不安になりかけたところで、ようやく登山口が見えてきた。
波板で囲った登山口には登山地図などが掲示してあるのと、立派な登山日誌・登頂証明書なども置いてある。それに登山道の標識なども過不足無く設置されてあり、西安積自治会さんの黒尾山への愛情の深さが伝わってきます。ご苦労様、そして有り難うございます。
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登山口にある案内板 |
右コースが‘登り易い’ |
案内板によると登頂コースは三コース。左コース・中央コース・右コース。そして「右コースが一番登り易い」と書いてある。迷わず右コースへ。
| 口滝 ここではまだ元気だった |
歩き始めてから途中の林道には大きい石の落石が‘さかん’で、なんだか怖かった。
杉の植生の中のコースを数分歩くと「口滝」。なかなか立派な滝。
この滝を過ぎてからが山道の始まりだ。「一番登り易い」割には角度が急で、自然と口数も少なくなる。ほどなく不動尊へ到着。思わずザックを降ろし一息入れる。植生と雑木林がまたがるようなコースをとぼとぼ歩き高度を稼いでいく。途中何カ所かで沢を渡るけど、これはたいしたこと無い。行者尊という巨大な岩を見送る。時間的にはたいしたことがないのに結構きつくて、すっかり無言で歩いている。ようやく、岩が二枚重なって庇を状になっているところが虚空蔵尊。再び休憩。やはり、登りが急だとこたえるね。
伐採が終わり杉の苗木が植えられた斜面に出る。ここには苗木をシカの食害から守るためネットが張ってある。ここの急斜面を踏ん張って通過すると、間もなく「あと145m ファイト!」の表示板が目に入る。
が、ここからもきつい。おまけにちょっと滑りやすい地面で、余裕は全く無い。やがて、目に見えてクマ笹が増えて、足元に木で組んだ階段が現れると、もう山頂は目の前だ。階段を上りきると傾斜が緩くなり、山頂を示す表示板が目に飛び込んでくる。歩き始めてたった1時間15分しか過ぎていないなんて、全く信じられないほど消耗している。ほんまにきつかった。
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生憎の曇天だけど頑張りました! ちょっと疲れた森の世捨て人さん |
無線中継施設跡から山頂を‘俯瞰’ |
登り始めた頃には青空が広がっていたんだけど、すっかり曇天。残念だなぁ。
どっかり腰を降ろして荒い息を整える。北からの風がけっこうきつく吹き抜けていく。ストーブに火を入れてお湯が沸くのを待っているうちにすっかり身体が冷えてしまった。
南西側に無線中継施設の跡が淋しく不気味に残っているが、それを除けば360度の展望。こうやってここから見ると兵庫県も山ばっかり。知識が乏しく、しかも地図を持っていないのでどれがどの山か同定できないのがちょっと残念。
施設跡の屋上に登れば、視界はさらに広がり、揖保川の流れも見える(でも、ちょっと怖かった!)。
おむすびを頬張り、コーヒーとお茶で身体を暖めると、あっと言う間に45分も経っている。
忘れ物がないかチェックして出発。あんなにしんどい目をして歩いてきたのに、虚空蔵尊まですぐに降りてきた。帰りはここから左コース(山頂から見ると右)を辿る。ここからはほとんどを杉の植生の中、薄暗いコース。降りるのにも気を遣うほどだから、この左コースもきっと登り応えがあるコースなのでしょう(右コースを上がって良かった)。
相変わらず滑りやすい道で、途中何度も何度も滑る。一度なんか大きく滑って目の前にある杉の木に抱き付いてしまった(ほんとは激突かな)。この杉が無かったら谷底まで滑落してたかもしれません。
そして、傾斜も緩くなったところで、大きな岩の上を横切る際にすってんころりん、ハデに横転して右膝から腰の上までを岩にしたたかに打ち付けてしまいました。この様子を後ろから見ていた森の世捨て人さんによると、ボクはこの岩の上で二度バウンドしていたそうです。痛かった。最初はもう声が出せないほど痛かった。幸い外傷も関節の痛みもないようなので大事には至りませんでしたが、近頃山行に際してちょっとなめたようなところがあった私にはいいクスリになりました。
あまりにも長い下りに、ひょっとして、クルマを置いてきた登山口を通り越して下まで来てるのかなぁ、と心配しだした頃にようやく林道に出会う(よかった!)。ここで人なつっこいウグイスに出会い、心が安らぐ(森の中ではリスも見かけました)。
この山は歩行時間の割に結構キツイので心してチャレンジして下さい。お子さま同伴のファミリー向きではないように思います。ストックがあれば重宝するでしょう。また、グリップが効かないクツ(スニーカーなど)では厳しいかもしれません。参考になる地図はあまりなく、もし、持参されるのなら1/25,000の「安積」になります(ボクも持っていきましたが、歩いている時は一度も見ませんでした)。
帰路は山崎町内のホームセンターでサツマイモのツルを買いました。これで秋には‘焼き芋大会’の開催決定ですね?
いやぁ。きつかった。おつかれさまでした!
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