04/27・皆子山(みなごやま)

ここがほんまの「トゥエンティ・クロス」


前回の山行のために山と渓谷社の「大阪周辺の山250」という本を買った。ぺらぺらとめくっていると「京都府の最高峰」という見出しで皆子山が紹介されている。京都の最高峰は福井との県境にでもあるのかと思っていたら、北山も東のはずれ、滋賀県大津市にまたがるこの山で、しかも971.5mというから驚いた。もっと高い山がありそうな気がするんだけどな。 で、行こう行こうと思いながら犬に襲われたのがトラウマになったのか、なかなか腰が上がらない。そうこうしているうちに、山と渓谷社から「ヤマケイ関西 No.2 京都北山・比良山」という雑誌が発売された(ちなみに No.1 は六甲山でした)。この雑誌の第一特集のいの一番に紹介されているのが皆子山ではないか。さっそく、出発した。

4月も下旬になると、すっかり日の出が早くなっている。調べてみると神戸で5:14だ。そこから逆算すると5時前から歩き出せることになる。でも、それはちょっと早すぎるので、4時に西宮を出発。名神、湖西道路を走り、足尾谷に着いたのは5時半を少しまわっていた。あたりはすっかり明るく、今日もいい天気になりそうだ。 装備を整え、準備運動を済ませる。涼しいと言うよりは「寒い」。もう一枚持ってきた方がよかったかな。

安曇川と足尾谷の出会いにあるダートの林道からスタート。
少し歩いて身体が暖まってきたら、林道も終わり、谷添いの登山道になる。良く踏まれていてたいして苦にはならない。木々は新芽を吹き出して若葉が眩しい。ほんとにいい季節だ。
このコースの特長は何と言っても沢を何度も何度も右へ左へ渡ることだろう。
倒木が橋替わりにが架かっている箇所もあるが、たいていは石づたいに渡る。少なくてもくるぶしまであるハイカットの登山靴は必要でしょう。また、ロープが渡してある箇所も多いので、手袋を持参することをおすすめします。スパッツもあればきっと役に立つでしょう。また、梅雨時や大雨の後の増水時にはこのコースを歩くのは困難だと思います。
巨岩にはハシゴがかけてあったりして、なかなか野趣に富む楽しいコース。

これは"上等"なハシゴ

六甲には「トゥエンティ・クロス」というコースがあったけど、この足尾谷の遡行コースこそ、ほんまの「トゥエンティ・クロス」。ひょっとしたら20よりも多いかな?
ブナなど広葉樹に囲まれた(一部杉の植生もあるけど)、静かでいいコース。また、沢の水がとても美しく、落差が大きくない滝が無数にあり、みとれてしまいます。

山小屋を見送るとすぐにツボクリ谷との出合い。標識が架けてあるので間違えることはありません。ここで左手の谷に入っていくことになります。
ここからが正直言って「つらかった」。突然、登る角度急にがなり、五歩進んでは溜息をつき、20歩歩んでは立ち止まって息を整えてしまう。まるで、壁に向かって登っているような錯覚に陥ります。
やがて、水の流れとも別れて肩ほどの高さがあるクマ笹が繁る斜面を這いつくばって登っていきます。もう目の前には稜線が見えているのになかなか近づいて来ない。振り返ると、目の高さより高いのは、はるか東隣の比良だけになっている。急登に次ぐ急登。汗もがんがん流れて、息づかいも荒くなる。
これがほんまの「胸つき八丁」なんでしょうか。
「早く解放してくれ!」って叫びたい。

が、やがて角度が緩くなった。と、山頂を示す標識が唐突に目前に現れる。助かった、と言うよりもホッとした。お疲れさま。

三角点にご挨拶

さっきまで陽が射していたのに、見上げると雲が厚くかかっている。展望が開けている東を見ても、小女郎峠が見えるはずなのにガスの中で煙っている。とことん比良とは相性が悪いなぁ。

視界不良で残念

三角点の南側が狭いながらも広場になっており、ザックを降ろして汗を拭う。今日は久しぶりにシーフードヌードルだ。

帰りは皆子谷を下る。
ここもずっと沢を添うコースで迷いようがない(但し、山頂からすぐに寺谷コースと皆子谷コースとの分岐があり、これを見逃さないように!)。
こちらも足尾谷に勝とも劣らないアドベンチャーコースになっています。思ったよりあっさりと安曇川の源流に出会い、すぐに林道となる。この林道歩きをほぼ1時間で平の集落に。ここから、クルマを駐車した足尾谷の出合いまでは国道を約20分。結構怖かった(もちろん犬に会う方が怖いけど)。

可憐なスミレが咲いている あれっ、こんなところに
"森の世捨て人さん"が!?

いやぁ、自然を満喫しました。
ちょっぴり疲れたけどね。

お疲れさまでした!

 

足尾谷出会5:45〜ツボクリ谷出会6:20〜7:00ツボクリ谷別れ7:10〜7:45皆子山山頂8:20〜安曇川出会9:30〜寺谷出会10:00〜平集落10:25〜10:45足尾谷出会