「ヘブン・アンド・アース」

17/Mar./2004

  

この映画を長く待ち焦がれていたような気がする。
「ヘブン・アンド・アース」、2003年の中国映画、原題「天地英雄」がようやく公開。

久々のチアン・ウェン主演だし、ヴィッキー・チャオも出演ている。
唯一日本人キャストとして中井貴一も出演しているので話題になったのか、いつもならシネフェスタとかで寂しく上映されるくらいだけど、ナビオでも拡大公開されていたのはチョット嬉しかった。中井貴一がこの映画の撮影中に書いた本(「日記 『ヘブン・アンド・アース』中国滞在録」キネマ旬報社)も話題になったしね。

お話しは唐の時代。
日本から遣唐使(懐かしい響きだ)として派遣されていたのが中井貴一。
皇帝から帰国を許されるの条件として、彼に特別の任務を与えられる。それはお尋ね者である一人の罪人を処刑することだった。その男(チアン・ウェン)はかつて西域の守備に就く兵隊長だったが、捕虜を処刑するという命令に背いたが故に反逆罪に問われ逃亡していた。

果てしない砂漠のシルクロード。
天竺より沢山の経典を運んできた商隊の一行が、激しい砂嵐に会う。嵐が止んだ時、荷物は無事だったが生き残っていたのは兵士と僧侶のたったの二人だけ。そこへ流浪のチアン・ウェンが通りかかり、彼は護衛として商隊を長安まで送り届ける役目をかってでるのだ。
こうして長安を目指す商隊の一行に、チアン・ウェンを狙う刺客の中井貴一とヴッキー、また砂漠の盗賊団なども襲ってきて、てんやわんやの熱い戦いが繰り広げられる...。

チアン・ウェンは今回は真面目っぽい役どころ。演技は相変わらず申し分ないけど、いつもの頑固キャラも少し観たかったかな。中井貴一、この人も悪役っぽいエラそうな役やるんだなぁ。ヴィッキーはアクションもなくお飾り的な役で、いてもいなくても関係なかったのが、ちょっと残念。
ほかに砂漠の盗賊の親分を演じる悪役が「黄色い大地」や「戦場に咲く花」主演のワン・シュエチーだったとは今まで気付かなかった、これはなかなかの好演。

この映画もわりかし派手なアクションを期待していたわりにはフツー。
チアン・ウェンと中井貴一の絡みも少ない、せっかくのキャストなのにもったいないぞ。
それに結末がどうもなぁ。砂漠の盗賊に追われる隊商の一行は、やがて古城に立て篭もって篭城する。少ない人数なのに皆奮戦して、次々と迫り来る敵を何人もなぎ倒してる。オイオイ、これじゃあこないだ観た「MUSA/武士」と同じだよ。おまけに最後は奇跡で危機を乗り越えてハッピーエンド、なんじゃそりゃ!
突然のCGはリアリティが無さ過ぎ、もうチョットひねりが欲しかったなぁ。

次回は「ションヤンの酒家(みせ)」を報告します。