「フルタイム・キラー」

16/Mar./2004

  

梅田で観逃したためにはるばる千日会館までやって来ました。ここは相変わらずスクリーンが小さいしシートは狭くて固い。なんとスクリーンの横にトイレがあり、まるで成人映画を上映しているとも思える古い劇場。
果たしていつまであるのだろうか? それとも地元の人には人気のスポットなんだろうか?

「フルタイム・キラー」2001年の香港映画、原題「全職殺手」。アンディ・ラウの主演。反町隆史も主演しているので、日本でも話題にもなったでしょうか。「ザ・ミッション/非情の掟」のジョニー・トゥ監督作品です。

「ザ・ミッション〜」は、男のハードボイルドを描いたカッコイイ映画だったけれど、冷静に考えるとお話し自体はそんなにたいしたことはなかった。
今回の「フルタイム・キラー」。同じように殺し屋という裏の世界に生きる男を描いた話しで、ちょっとドラマがかっている。ところが、このお話し、実はよくわからないのだ...。

裏の世界に身を置く反町隆史は通称“0”と呼ばれる凄腕の殺し屋。引受けた仕事はきっちりこなす。その腕前に、報酬の高さも並ではない。
一方、アンディも同じく殺し屋。常に“0”をライバルとして意識している。
アンディは“0”が雇っている家政婦に近づいたり、彼の仕事を妨害したりと、あの手この手で“0”の対立心を煽る。
そんな二人の殺し屋を追う刑事に、サイモン・ヤムが登場。ますます話はややこしくなる。

反町隆史とアンディ・ラウの殺し屋の腕とか、同じ女性を巡る恋の鞘当てとか、二人が単純に競い合うストーリーなら面白かったかもしれない。
しかし、全然喋らない(セリフが無い)反町隆史と、意味不明な行動をとるアンディ・ラウにお話しは混乱する一方。
反町隆史が日本語しか話せないなので、周囲の皆が一生懸命に日本語を話してくれるのには感心するが、これが実に聞き取りにくく、これまた混乱。

単純な善悪のお話しで、もっと洗練されたアクションが観られると思ったんだけどなぁ...。これがこの監督の作風なの?
結局、このお話しの主人公は誰だったのか、アンディか反町か、それとも刑事のサイモン・ヤムなのか?

劇中、映画館のシーン、上映されていたのが「ザ・ミッション〜」だったのはウケたけどね。あとラム・シューも出てますよ。

次回は「ヘブン・アンド・アース」をご報告します。