「サハラに舞う羽根」

19/Nov./2003

  

今回は「サハラに舞う羽根」2002年アメリカ・イギリス合作映画。場所はOS劇場CAPで観て参りました。

原作は古典小説で、これまで何度も映画化されているらしい。イギリスが世界中に植民地支配していた19世紀が舞台。当時エジプトの南に位置するスーダンが、民族運動の革命によってエジプトの支配から独立を果たした。エジプトに大きく干渉していたイギリスは、その要請によってスーダンに軍を派遣することとなる。

主人公のハリー(ヒース・レジャー)は大英帝国にあって将軍を父に持つ、士官として将来を嘱望される若き将校。ところが、彼はこのスーダン派遣に際して、突然除隊を願いだす。この彼が取った行動に、友人達は当然のように臆病者と罵しった。
そしてハリーの元へ“白い羽根”を送りつける。当時の慣わしで、白い羽根は臆病者の証であったのだ。ハリーは婚約していた愛する恋人からも軽蔑され、同じく白い羽根を送られる。

すべてから見放されたハリーは苦悩の日々を送る。
しかし彼はついに決意し、友人を助けるために一人遥かスーダンの地へ向う。送られた羽根を彼らに返し、自身の名誉を取り戻そうとしたのだ。その行く手には広大なサハラの砂漠が広がっていた。

イギリスでの話はしょうもない話だけど、舞台がサハラに移ってからぐっと面白くなる。まさに冒険スペクタルロマン、大作らしいなかなか良く作品だ。
主人公の演じるヒース・レジャーも、最初の英国にいる時はこれといってパッとしない役どろこだったけど、サハラへ向ってからはかなりハマッてきた感がいい。頭髪もボサボサ、髭もボウボウ、ボロボロの服装を身にまとい、別人かと思うほど。こういった役もできる人やったんやね。

ただこの作品でどうも一つ腑に落ちない所がある。
当時の時代背景で、女王に仕える英国軍人であるにも関わらず、戦役を拒否して退役を願うなんて普通は考えられない話しだ。そりゃ友人や、愛する人でさえからも羽根を送られるのも当然だわな。でも結局主人公は、戦地へ赴くわけなんだし、どうもこの部分が最後まで頭に引っかかって、彼に対して感情移入が出来なかった。彼がどうしてスーダンへ行くのか、もっとちゃんとした理由づけが欲しかったところかな、描き込みが足りなかったように思える。

あと以前に観た「モンテ・クリスト伯」という作品も冒険劇の含んだ良く出来たお話しだった。あちらも同じように、同じ女性を愛する男二人という三角関係で、友人が裏切って恋人を奪うという話だ。今回も最初それに近い感じだと思ってたけど、結局最後までそんな事はなく友人は実にいい奴だった。それはそれでよかったけど、ちょっと潔癖すぎて人間味ないよなぁ。
お話しとしては主人公か友人どっちか、もしくは恋人が死ぬとかもうチョットひねりがあった方が良かったかも知れない。

にしても映画らしい大作。砂漠の戦闘シーンはなかなか迫力有りますよ。その後ちょっと長かったカナ。

次回は「名もなきアフリカの地で」をご報告します。