「ミレニアム・マンボ」

02/Jul./2003

  

さて天六ユウラク座を後にして次に向ったのは動物園前シネフェスタ。
ここでもこの日公開初日の「ミレニアム・マンボ」(2001年台湾、原題:千禧曼波)を観てきました。初日といってもやっぱりシネフェスタ、いつもよりちょっと人が多いくらいですね。

さて、今回の映画、実は予告編を観ていた時からなんだかまた寝てしまいそうな映画だと思っていた。スー・チーが主演とはいえ、僕はあまり得意で無い愛情劇だし、芸術に走ったような映画に見えたから...。でも、好きな中国映画(台湾)だし、スー・チー主演だから観ない訳にはいかないと思ってやって来ました。
ところが、結論を言うと意外と良かったのだ。いや、実際話はなんのこっちゃわけがわからない。

舞台が2001年だから原題が「千禧曼波」で、邦題が「ミレニアム・マンボ だと思うけど、このタイトルにはこれといって意味は無いように思える。
スー・チーが高校の頃から付き合っているという恋人の男(トゥアン・ジュンハォ)は異様なまでの悪癖。ここではあえて語りませんが、この男の行動は恋愛でもなんでもなく単なる嫉妬と独占欲。彼がひたすらスー・チー対して行う行為は、観客にとってはちっとも感情移入できない不快感が募るだけの描写だ。
そうまでされてどうして彼女は警察なりなんなりに相談しないんだろう。昔からの腐れ縁で、別れてはくっついて、また別れて...、の繰り返し。今度もお金が無くなったら別れうと考えているスー・チーが不思議に思えて仕方ない。

そんな彼女もようやく他の男をみつける。
地元を仕切るヤクザの男で、スー・チーを妹のように面倒みてくれる男だ (ガオ・ジェ。どこかで観たと思ったらアンディ・ラウの「賭侠1999」に出てきてた人だ!)。でもそんな男との恋愛も、特に盛り上るでもない。結局、スー・チーは救われないまま...。そして映画はいつの間にか終わってしまった。

話しは何が何だか全然わからなかったんだけど、観ているこちら側をこれほどまで嫌な気分にさせたトゥアン・ジュンハォの演技と演出はある種惹きつけられたものがあった。
そしてストーリには「次は何が起こるんだろう?」と期待させる(結局何もなかったけど)。そんな見せ方は上手かった。
しかし、はるばる北海道の夕張まで来た意味はいったい何だったんだろう?やっぱり、わけがわからんね。

スー・チーが積もる雪の中で大はしゃぎしている姿は必見(かな?)。

次回は「D.I.」をご報告します。