「8 Mile」

20/May/2003

  

今回は試写会、メルパルクホールにて「8 Mile」という2002年のアメリカ映画。本年度のアカデミー賞最優秀主題歌賞を受賞した作品。
主演はエミネム。
全世界でヒットしているという白人のヒップホップミュージシャンのカリスマらしい(アメリカにはカリスマミュージシャンはいったい何人いるんや?)。 この有名アーティストが主演しているというのがこの映画のウリ。

そんでもって、どんなお話の内容かというと、ラップを題材にした音楽の映画。「8 Mile」というタイトルは、デトロイトに実在する“8マイル・ロード”という通りの名前から取っている。この8マイルを境に、デトロイトは北と南に分かれて、北は白人が、南は黒人が住民の大半を占めるという。
主人公のエミネムは南側に住んでいる。
南側に住んでいることが貧困というイメージがあてられているのと思う。確かに住まいはトレーラーと呼ばれる仮設住宅のような家。その貧しい暮らしから抜け出そうと、ラップに全てを賭けている若者の青春映画だ。

ストーリーは他愛のない話し。
主人公は自動車プレス工場で働き、そして仕事が終わって家に帰ってはラップのリリック(歌詞)を書いたり、また仲間達と集って騒いだり。そんな日々がダラダラと続く。
ある種現実的なお話しで。今の生活からどうにかして夢を叶え、這い上がろうようかとしてる(らしい)。ところが、このエミネムがまったく表情を変えないクールな男。いったい彼は何をしたいのかよくわからん。
映画が始まってしばらくすると、思いっきり寝てしまいました。

この劇中で唄われるこのラップというのが、どうも...。
週末に若者であふれるバー(クラブ?)。ここで“バトル”と称し、対戦者の二人がステージに上がり、交互にラップを唄う。
しかしこのラップが、対戦相手をひたすら罵ったありとあらゆる罵詈雑言。やれクソだの、やれおまえはどうたらこうたら...、そんな暴言をお互いでがなり合っている。よく聞いてて怒らないね。でも僕にとって、それでいったい何が楽しいのかサッパリ意味不明。いかに相手を黙らせるかが勝負で、ラップの技術なんだろうかけど、素人の僕には聞いてて全然面白くないもなんともない。

エンディングの主題歌は良かったのに、もっとこーゆー唄を唄えばいいのにね。結局そんな話しが最後まで続き、主人公がどう変わったのだろうか、これからどうするのだろうか、全然わからないまま終わってしまいました。ヒップホップ好きでないと全然わからない映画でした。
お勧めはしませんが、興味のある方はどうぞ。

次回はレスリー追悼、「君さえいれば/金枝玉葉」をご紹介します。