アラハン

コミカルなのかヒストリカルなのか?



  

なんだかよくわからないお話しだった。
それは、ストーリーに一貫性が無かったからかな?

導入部分はリュスンボム演じる冴えない制服警官サンファンが入門するまでがコミカルに描かれる。何をやっても駄目なサンファンは偶然に出会ったカンフー(?)の達人たちに教えを請う。いや、この道場にいる美女イジン(ユンソイ)と仲良くなりたいという不純な動機もあったかもしれない。サンファンはとにかく手っ取り早く“強くなりたい”のに、なかなかカンフーを教えてもらえない。
しかし、お話しは次第に、このカンフーの流派の跡取りとしての正当性を保障する(?)“印”の争奪戦に重心が移っていく。そこに“?”が点滅し始める。次第に取り留めのないストーリーが展開されだし、お話しの風呂敷が広がりすぎてしまう。
ボクとしては、サンファンが怪しげな道場で修業を積み、イジンとの淡い恋が成就するのか。そして、かつて馬鹿にされたヤクザの表彰状をけちょんけちょんにやっつける。最終的には立派な警官になりました、で良かったのではないかと思ってしまう。

でもなぁ...。韓国の人って、特に時代物の場合は顕著だけど、伝統とか何百年もの封印を解く(しかし、地下鉄の工事現場ではなぁ...)とか、そんなんが大好きやねんなぁ。仕方ないか。
なんとか気は失わなかったものの、だるくて、笑いのツボを外してしまったコメディシーンも少なくなかった。悪くはないんだけど、これはB級のアクションコメディでしょう。

今、こうしてこの作品を思い返してみると、この作品全体に流れていたムードは「猟奇的な彼女」で彼女が書いていたシナリオを彷彿させることに気が付いた。そんなことを思ってしまうほどハチャメチャな作品なんですね。

この日は10月末にオープンしたばかりの109シネマズ神戸HATのレイトショー。近くまで行ったらわかるやろうと思って、ちゃんと地図を確認することなく出発してしまい、大いに迷ってしまいました。立派な入れ物なのですが、この晩この「アラハン」を観たのはボクとそーさんの二人だけ。早い話が“貸切上映”でした。いくらパッとしない作品だとは言え、土曜の夜に貸切とはどんなものでしょう? まぁ、ゆっくり観られたのはよかったけど...。
それと、この作品がどうして吹替版ばかりが上映されているのは何故でしょう? 関西では字幕上映するスクリーンはなかった。そんなにお子様向けの作品ではないだけに、理解に苦しむ。それなら、せめてレイトくらいは字幕で上映して欲しかったな。アンソンギが、リュスンボムが日本語を喋るのを観ているのはやっぱり違和感を覚えます。

ユンソイは角度によってはチョンジヒョンに似てますね。チャイナ風のお顔です。あまり魅力は感じなかったけど...。途中でサンファンがコテンパンにやられてしまうヤクザの感謝状、このおっさんどこかでお会いしたような気がするんだけど、どうも思い出せない(気持ち悪い!)...。

おしまい。