「再見のあとで」

中国で大ヒットしたと言う


  

続けて足を運んだシネ・ヌーヴォで開催中の「中国映画の全貌2002-3」。結果としてこの日が2002年の締めくくりとなってしまった。

我がサンフレは相性いい天皇杯も準決勝でサンガに敗れた。悔しい思いが半分、これで元日に東京に行こうかどうしようか悩まなくて済むというほっとした気分が半分...。
この天皇杯で展開したサッカーが2003年も出来るのなら、一年でJ1復帰もそう難しくないと思う。開幕から飛ばして欲しい。久保の去就は未定だけどサンパイオの加入が決まったようだし、仙台からリカルドも入るようだ、何とか頼みます(サンフレにブラジル人選手が入るには初めてか?)。2003年はJ2に関西のチームが無いだけに、そう何試合も応援へは行けないけど「心はいつもサンフレと一緒」です。
この試合のテレビ中継を見届けてから家を出た。

さて、映画のお話し。
こんな映画を撮れるんだ。ノリは「スパイシー・ラブスープ」と同じ。
この映画が香港映画だと言われれば「垢抜けない」と思ってしまうけれど、大陸の作品だと思って観ると感心してしまうから不思議。映画としてストーリーは決して洗練されているわけではないけれど、それでも見どころが無いわけではない。
ある意味気取らずに、現代の北京での最先端夫婦事情を描いている。それでもこの映画で描かれている世界は、庶民にとっては手が届かない「高嶺の花」的生活なんだろうなぁ。

葛優はバンクーバーに向けて出発する妻を見送りに北京空港(まだ古い方)に来ている。彼女は中国から出国するために莫大な費用と労力を掛け、ようやくパスポート、ビザそして航空券(但し片道)を手に入れたのだ。この夫婦は今この空港での別れが一生の別れだと、口には出さないがわかっている。
一方、徐帆は新婚3カ月で夫をカナダの大学院へ送り出す。徐帆は夫婦揃って海外移住するための第一段階がこの夫の出発だと信じている。
ひょんなことで中国に残る二人は空港で知り合う。そして北京に残された二人がどんな生活をし、二人にどんな結果が待ち受けているのかを深刻にはならず、どちらかと言うとコミカルに描いている。

葛優は大陸の作品(「活きる」「さらば、我が愛/覇王別姫」)に出ている俳優さんで、見た目は細くて頼り無さそうだけど、力強い演技をする存在感がある男優。今回は飄々とした役を巧く演じている(と言うか何と言うか...)。
徐帆はいかにも大陸で好まれそうな顔立ちをした女優さんで、かわいさと気の強さが同居した人だ。

この二人がそれぞれどうやって生計を立てているのか、食事のシーン以外はほとんど生活臭を感じさせない作りになっている。そのへんがおしゃれでこっこいいと映るんだろうなぁ。そして偶然が偶然を呼ぶストーリーが「中国のトレンディドラマ」と評される所以なんでしょうね。
しかし、中国を捨てて海外へ移住することが容易ではないにしろ、中国脱出を励讃するような筋立てのドラマを作って、しかもヒットするって凄いね。感心してしまいます。さすが華僑のお国だけあるなぁ。

そうそうご覧になるチャンスはないでしょうが、現代の北京事情を知るには格好の映画かもしれません(但し、製作は1992年)。邦題の「再見のあとで」というのは、なかなか巧いタイトルだと思います。