「少林サッカー」

抱腹絶倒間違いなし!


  

阪急の塚口で映画を観るのは久しぶり。
はるか以前に松竹のお正月映画の看板作品だった「寅さん」シリーズを観たことがあったなぁ。
今回は香港の映画「少林サッカー」。
このところ、日本では香港映画はもう一つ元気が無くて、ほとんどの作品がミニシアター系での公開だった。今回の「少林サッカー」は、香港での歴代興行成績ナンバー1の実績を引っさげて全国登場だ。折りしもワールドカップが開催中で、そこそこヒットしているようなので、ボクは嬉しい。しかも、主演がチャウ・シンチー、ヴィッキー・チャオ、ン・マンタと言った、残念ながら今まで日本での認知度が低い明星たちなので、この機会にメジャーになることを期待してしまいますね。

今までとても現実不可能だった奇想天外なアクションが、CGやワイヤーアクションなどの技術の向上で可能になった。それを最大限に生かしたのがこの映画だ。
だから、本当にサッカーを楽しみたいと期待してこの映画を観るために劇場へ足を運んだ人(そんな人いるのかな?)は、その期待を大きく裏切られる。
だいたい、サッカーというスポーツは世界中で一番ファンが多いのに、今までほとんど映画として成功していない。映画化するには難しいスポーツなんですね。あまり途切れない連続性のある動き、プレーの巧拙がもろに出てしまうボール捌き、そして予想外・想定外のボールの行方などなど。ワンプレーで止まってしまう野球でさえ、映画となるとウソっぽいのに、ましてやサッカーとなるとホントに難しいね。映画に馴染みやすいスポーツは何と言ってもアメリカンフットボールですね。
まぁ、そんな話しはいいとして。

ファン(ン・マンタ)はかつては中国サッカー界のスタープレーヤーだったが、今では落ちぶれてプロチームの用具係だ。そんな彼が街角でシン(チャウ・シンチー)と出会うところからこのお話しは始まる。
シンは小林拳をなんとか復興しようとあの手この手を考えているのだが、どうも上手くいかない。生活もすっかり貧窮しているのだ。
とんでもないシンの脚力に魅せられたファンはシンを中心にしたサッカーチームを結成することにする。このチーム「少林」の中心メンバーはシンの兄弟弟子たちだ。こいつらが年齢も体格もばらばらだけど、それぞれがへんてこな能力(?)の持ち主で、サッカーにその能力が活かせるのか? と真剣に心配してしまう。紆余曲折を経てやがて「少林」はサッカーチームとしての体裁を整え、全国大会へ出場する。
一方、シンは街角の饅頭屋で太極拳を応用した技で饅頭を作る娘ムイに一目惚れ。このシンとムイのラブストリー(?)と「少林」の快進撃が絡まりながら、とうとう決勝戦の日を迎える!

しかし、シンのシュートはほんまに凄い。こんな選手が一人でイイから日本代表にいたらなぁ!
荒唐無稽のプレーが連続して、抱腹絶倒間違いなし!
今から貴男も少林拳を習ってみますか?

ほんの10名ほどしか入っていない劇場とはいえ、日本の映画館は静かすぎる!面白いシーンではもっと声を出して笑おうよ! お通夜とちゃうねんから。
この映画、もし香港の劇場で観ていたら(一日違いで見逃した!)、もっともっと楽しかったやろな。残念。
出来るだけ、お客さんの多そうな劇場、時間帯でご覧になることをオススメします(もっとも、そうじゃなくてもごっつい楽しいけどね)。

もうしばらく全国各地の松竹系で上映中。梅田では梅田ブルク7でやってます。

おしまい。