「天国から来た男たち」

マニラにも行きたい!


  

梅田のロードショーをする映画館では、予告編や本編の前の一番最初に広告が流れる。古くは「北のアメリカン(これは喫茶店)」だったり、最近では「鶴橋の風月(お好み焼き屋さん)」。そして、ダイヤモンド。
そうか、いい映画館(?)は結婚前のアベックがデートで利用するのが前提になっているのか。このダイヤのCMはいい年したオッサンの私にとってもなんか照れくさく、でもちょっぴり羨ましいような、青春時代(?)を想い出させるような、そんなフィルムなのです。もちろん、私の時代とはもうフィルムのバージョンが違うけどね。

さて、今回観てきたのは「天国から来た男たち」。残念ながらダイヤモンドの広告は流れないシネリーブル梅田。上映最終日の最終回だからか、結構な入りで50名程度は入っていたでしょうか。

山崎努はビールのCMで卓球とかしているだけかと思ったら、ちゃんと映画に出て芝居もしてるんやなぁ。彼の存在感ってごっついなぁ。無言で画面に姿を現すだけで、なんとも言えない臭いが漂う。

エリート商社マンが麻薬不法所持の疑いでフィリピン当局に拘束されてしまう。未決囚として送致されたのは現地の刑務所。ここには、日本人房があって(但し、有料)、フィリピン人から隔離されて、優雅な生活を送ることができる(らしい)。
この刑務所内での生活を描くだけでも「抱腹絶倒」の面白い別の映画が作れるに違いない。受刑者はみんな罪の意識なんかまるでなくて、ここでの生活をエンジョイしているんだもの。
ここで日本人のボスをしているのが山崎努。彼は別に広い(ほんまに広い)部屋を確保していて、刑務所の所長と組んで商売をしている(証拠として押収した麻薬の横流し)。「ここ(刑務所)ではお金さえあれば、何でも出来る」と豪語するだけあって、平気で刑務所から出て商売に精を出す。じゃぁ、この刑務所にどんな意味があるの、って気もするけどね。

冷静になってストーリーを想い出すと、脚本のあちこちに破綻が見られて筋が通らないところもあるのだけど、映画を観ている最中は、まずそんなことは気にならない。グイグイ引き込まれて、だんだん主人公が変わっていく(染まっていく?)様に、こちらも見とれてしまう。

文句なしに楽しめる映画になっています。但し、最後のオチにはもう少しひねりが欲しかったな。終盤になってバタバタ人が死ぬのもちょっといただけない。日本人房の番頭役をしていた方のテンションが高い怪演が良かったです。
この映画も先週の金曜日(7/13)に上映が終了していますので、もう観ることは出来ません、ごめんなさい。でも、そのうちビデオになるでしょう。

おしまい。