「青の炎」

貴志祐介 角川文庫 667円


  

映画化される。映画を観る前に原作を読むのは珍しいんだけど、食指をそそられる本が見当たらないので買うことにする。
最初はなかなかページが進まなくて、ちょっと嫌な感じ。途中で読むのを止めようかとも思ったほど。でも、1/5ほどから調子が出てきて、何とか読み終えた。

なんか甘い。特に最後があれではちょっと「急ぎすぎ」なんではないだろうか?

主人公一家とお母さんの前夫との確執に筆が足らない。どうして主人公の秀一が曾根を殺そうとまで思いつめたのか、それをもっと冷静な筆致で書きこむ必要があったような気がします。母親の「ことなかれ主義」にもそれなりに意味があったはずだと思うんだけどなァ。その割には自転車や食材については嫌味なほど詳しく書きこんであったりして。ちょっとチグハグ。
でも、面白いことは確かです。映画を観るかどうかはわからないけどね。映画では福原紀子役を誰がするのかな?

仕事途中に阪神甲子園の駅前にある書店さんで購入。