「北京(2001年12月)」

北京の変貌を目の当たりにする


その1・4年半振りの北京はどこかが違う

  

中国へはプライベートや仕事で何度か行かせて貰った。ほんとに有り難いことです。生まれて初めての海外旅行の最初の到着地が北京だった。懐かしいなぁ。それから何度か北京を訪問したけど、最近はトンとご無沙汰していて今回の北京行きがなんと4年半振り。
今までの北京は仕事絡みばかりで、大学の宿舎にずっといるか、朝早く出発して晩にだけホテルに帰って、昼間は卓球の試合やハンドボールの試合をして、その合間に観光するという日程ばかりだったので、今回のように全くフリーなのは初めて。その分、他の都市には足を伸ばさず、北京に腰を据えて歩き回る予定だ。

最初はCAで飛ぶ予定だったんだけど、希望の出発日に予約が入らず、NHで行くことになった。CAがアカンと分かってから、駄目もとで全日空のwebにアクセスして、無料航空券(マイルを貯めるやつね)の空席状況を調べたらその場でOKが出たのです。二人で40,000マイル。

事前の調査によると年末のこの時期の北京は最高気温でも氷点下5度くらいで、最低気温は氷点下10数度らしい。心して臨まねば。でも、考えてみたら二度年末に北京に行ったけど両方とも死にそうに寒かった記憶はない。もちろん街の中にある池には氷が張って子供達がスケートをしていたのは目にしたけどね...。冬山用の下着と靴下を荷物に入れた。耳あてもいるかなぁと考えたけど、それは現地で買っても間に合うでしょう。

行きの飛行機は悲しいほど空いていた。座席は1/4も埋まっていない感じ。
北京もここ何年かのうちに新空港に替わっているはずだ。上空から見てもそれと人目でわかる黄色い大地に着陸。
昔の空港とは雲泥の差。ちゃんと空中廊下(と呼ぶのだろうか?)が飛行機とターミナルを結んでいるし、ターミナルは近代的な設備が全て備わっている(ように見えた)。荷物をピックアップするターンテーブルも前の空港は木製だったけど、新空港ではそんなことはない。それに、入国審査を経てターンテーブルのある場所まで着いた時にはもう既に荷物が出てきて回っていた。

何事もなく税関を通り抜けると自動式の外貨両替機があった。話には聞いていたが、ほんとにあってしかも実際に稼働しているのには驚いた。その横には従来通りカウンターでの対面式両替コーナーもちゃんとあるけどね。この前を通って空港の到着ロビーに出ることになります。
今回は幾らかの手持ちがあるのとホテルから迎えが来ているのでここでは両替をせずに通り過ぎたけど、中国元を持っていない人はここで両替しておかないと、タクシーにもバスにも乗れないので要注意ですよ。中国旅行の第一歩はこの両替から始まると言っても過言ではありません(ご存知だとは思いますが、日本国内では日本円から中国元に両替することは出来ないのです)。市内の銀行で両替をするのは恐ろしく時間と手間がかかる(らしい)し、ホテルでは宿泊していないと両替してくれないホテルがほとんどです。最近ではデパートやショッピングセンターでも両替してくれる場所があるようですが...。中国国内なら基本的にどこで両替してもレートは一定やから「空港で両替するのは損」といことな無いのでご安心を。

  

ホテルで荷物を解いて、まずは西単(シータン)へ向かう。西単は王府井と並ぶ北京でも最大級の繁華街なのです。泊まったホテルが地下鉄の駅に直結しているので、西単へも地下鉄で行きましょう。中国の地下鉄は初体験。
切符はどこで買うのかなと思ったら、切符売場という表示が出ており、自動販売機ではなく窓口におばちゃんが座っていてこの窓口で切符を買う。どこまで乗っても3元(20円弱)。市内を走るバスはだいたい1元だから地下鉄はかなり高い乗り物なのかな。
改札口はホームに下りる階段の降り口にある。ここにもおばちゃん(いや、係員)がいて、この人にさっき買ったうすっぺらい切符を渡す。均一料金だから出るのは自由に出ることができ、ホームに入るときだけチェックが必要なワケです。ちょっと見ていると何人かは月票(月ぎめの定期券)を見せてこの改札を通っていました。凄く混んでいると思ったんだけど、切符売り場の窓口も改札口もホームも車内も拍子抜けするほど空いていてスムーズ。なんかイメージとちゃうなぁ。やっぱり3元だからかな。

長いエスカレーターに乗って西単の地上へ。
実は、ホテルの地下にあるショッピングアーケードや地下鉄の車内でもうすうす感じてはいたんだけど、何かが違う。それは西単のデパートで決定的になった。
街を歩く人たちや、建物の感じ(外観や内装)、道路や歩道の様子、どれもこれもが今までボクが持っていた北京の記憶やイメージと違う。違いすぎる。人々の様子は一様に垢抜けていてスマート。その仕草には驚かされてしまう。道端にはゴミや吸い殻は落ちていないし、痰を吐く人もいない。妙にホコリっぽくもない。おかしい。北京ってこんな街やったか? それに西単では自転車ですらあまり見かけない。
これではここが少し寒空の台北や香港と言われても納得してしまいそうだ。

西単にある蟹料理の店が人気だと、事前の調査で情報を仕入れていたのだが、肝心のお店の名前があやふやでどこにあるのかわからない。ホテルのコンシェルジェにも調べてもらったのだが残念ながら「不知道」。こんなこともある、仕方ないね。
中国の街の変化は激しいとは知っていたが、ほんとに凄い。猛烈なスピードで変わっている。大きい道沿いには高層建築のビルがどんどん建っており北京のイメージはどんどん変わっていく。

つづく