「ソウル〜丹東〜瀋陽(2000年7月)」

仁川〜丹東を「東方明珠」号で旅する


その6・旅の終わり

  

すっかり自信を無くすというか、徹底的に弱気になるのは、昨日のボクのことを言うんだろうな。ハングルも中国語も充分に出来ないのに、しっかり予習もせず、無防備のまま旅に出てしまう。結果的には林さんや11番さんの好意に甘えて、パニックにおちいらず、なんとか無事瀋陽のホテルに着くことが出来た。
でも、こんなに迷惑をまき散らしてまで、瀋陽に行く必要があったのだろうか。韓国人や中国人に「馬鹿な日本人が、馬鹿な旅行をしている」と宣伝しているだけなのではないだろうか?
たいした目的、いや別段目的があるわけではなく、休みが取れて、旅行に出掛けられるお金があるという理由だけで、ソウルへ行き、船で国境を越えたいとか北朝鮮を垣間見られるかも知れないというだけで、仁川から船に乗る。そして散々迷惑をかけて、ようやく瀋陽に辿り着く。なんか恥ずかしくなってきた。
もちろん、日本にいたのでは経験できないことを体験して、計らずして韓国人と中国人に知古を得た。でも、この経験は本当に必要なものだったたのかというと、大きく「?」マークが付く。
(でも、また懲りずに旅にでるのだろうけど)

翌日、ボクはお腹をひどく壊した。原因は朝食で食べたあれかなぁ、って想像は付くけど、中国でお腹を壊すのはひとつの通過儀礼だ(それにしては、今回は強烈だったけど)。
午後にはすっかり良くなって、瀋陽の街を歩く。街を歩くと簡単に言うけど、瀋陽はとてつもなく広いうえに、とてつもなく暑い。冗談ではなく40度ぐらいあるんとちゃうかな、ここまで「暑い」と「熱い」と感じる。
午前中、腹痛で苦しんでいたことなどキレイに忘れて、マクドで買ったソフトクリームを頬張る。すれ違う子供があまりにも美味しそうにソフトクリームをなめていたものだから。
カラっと晴れ上がり、湿度は低いのだけれど、吹く風までが熱くて、腕や顔などむき出しの部分が風に当たると「痛い」(ちょっと大袈裟?)。陽炎なのか蜃気楼なのか、道の端がゆらゆら揺れている。

お昼は「日式ラーメン」、晩ご飯は中街の屋台で水餃子。汗だくになりながら熱いスープと、餃子を食べるとかえって気持ちいい。ドンブリについで飲むあたたかいビールは「何とも言えません!」

瀋陽で手配したソウル行きの航空券は、愛すべき東方明珠号の一等船室よりも安かった。
タクシーで空港に行くと、修学旅行(?)で来ているのか、日本の高校生の一団。待合室で一心にゲームボーイをしている。そんな彼らを横目にソウル行きの飛行機に乗り込む。みんな荷物が少ないよ!

わずか1時間と少しでソウルに到着。
ソウルに降り立つと、なんか「帰って来た」ような気がして、体中に安堵感が広がる。そして、夕方へは岡山に到着。
入国審査や税関で日本語で話しかけられるのが変な気がした。
お疲れさまでした。