「ソウル〜丹東〜瀋陽(2000年7月)」

仁川〜丹東を「東方明珠」号で旅する


その1・バスの乗り方〜ソウル編

  

今回は岡山空港を初めて利用した。
西宮にある自宅からだと、関空のほうが近いのだけれど、関空からの便に予約が入らなかったのと、岡山空港を一度使ってみたかったという思いもあって、一路岡山へ。
岡山までの高速代はかかるけど、駐車場は無料だし、空港利用料も不必要なので、それなりにメリットもあるかな。
施設は新しいいけれど、ほんとにびっくりするくらい小さくて何もない空港。
まるで昔の広島空港みたい。チェックインを済ますと、ほんとにもう何もすることがない。
KEのソウル行きは予想外のほぼ満席状態で出発。

今回のソウル行きの目的は、韓国を経由して中国へ船で行くことと、ソウルの街を一人でぶらぶら歩くこと。
なんか、船で外国に渡るってなんかカッコよさそうに思うでしょ。それにゴールデンウィークのときに取った中国の査証が「二次」だからもう一度中国に入国出来るしね。
また、今までのソウルは語学堪能なそーさんが同行していたので、どうしても頼ってしまう。心配は全く無いけど、一人でソウルを歩いてみたかった。

金浦国際空港にはほんとにあっと言う間に到着。ここからソウル市内の宿までは空港バスやリムジンバス、地下鉄ではなく、普通の路線バスで移動。一人旅だし荷物も少ない。
何番のバスに乗るのかは、事前にそーさんに教えてもらっていたし、このバスは以前にも何度か乗っていた。
なんて思っていたら、いきなり乗り間違えた!
この路線バスは「金浦市」から「金浦空港」を経由して「新村ロータリー」まで行く路線。だから「130番が来た!」と思ってそのバスに飛び乗ったら、なんと逆方向のソウル市内から来て、金浦市へ向かうバスだった。
それも、この事実に気がついたのはバスが金浦空港の巨大なロータリーを出てから。
「そうそう、この交差点を右に曲がって」なんて思っていたら、曲がらずにどんどん真っ直ぐ行ってしまう。「これって、何かおかしい!」と思ったときはもうすでに遅い。知らない風景がどんどん現れて、バスが疾走するバイパスのような道路の左右はすっかり田んぼが広がっている。「完全に間違えた!」 やっぱりハングルも読み書きと会話ぐらいは勉強しとかんとアカンかなぁ。

韓国で、特にソウルで路線バスに乗るには度胸とテクニックが必要。乗ってからも度胸は必要だけどね。ソウルのバス停は結構大きい。バスが停車する位置は100メートルぐらいの幅があるから、バス停の看板の前で待っていれば、目の前にちゃんと止まってくれる日本のようにはいきません。
バスがやって来る方向に目を凝らして自分が乗りたい番号のバスが近づいて来ないか探す。
やってきたら、そのバスがバス停のどの位置に止まりそうなのか予想して、そこへ駆け出す。もしこのバス停で降りる人がいなければ通過してしまうので、運転手に対して手を振ったりして「乗りたい!」ってアピールしないと停まってくれません。
でも、ソウルのバスは結構どんどん来るので、1本や2本見逃してもたいしたことないよ。それが気になるほど急いでいるのならタクシーを使えばいいのです。

今、ソウルでは「交通カード」というものが導入されていて、バスや地下鉄が利用しやすくなっています。これは香港の「八達(オクトパス)カード」と同じシステム。一枚のカードでほとんどあらゆる公共交通機関に乗れるとっても「優れもの」なのです。
日本の「スルットKANSAI」や「Jスルーカード」との大きな違いは、カードをカードリーダーに「通さ」なくても良く、カードリーダーに「かざす」だけで、リーダーが読み取ってくれること。だから、定期入れに入れたままリーダーの前にかざしても、リーダーが残高をチェックして、利用料金を徴収してくれる。これは便利。
そしてもう一つの違いは、このカードは「増殖」が可能だということ。残高が少なくなったら、「増殖機」という機械か、キオスクのような店で現金と引き換えに残高を増やすことができるのです。日本のカードのように、1,000円や2,000円分で使い切りというのとは発想が違います。こっちのほうが断然使いやすいのにね。

新村(シンチョン)のホテルに無事チェックイン。
この日はソウルに住む日本人オカダさん(仮名)に渡す荷物を預かってきているので、オカダさんと一緒に夕食。シンチョンは若者の街で、活気がある。連れて行ってもらったのが古い韓屋(カンオク=古い韓国様式の建物)を使ったお店。料理はボクが好きなサムギョッサル。テーブルの代わりにドラム缶を使っている。
オカダさんはボクより一回りぐらい上の方で、ソウルでは日本語の教師をしていらっしゃる。なんでも良くご存知の方で、飲みながらいろんな話題で盛り上がった。サムギョッサルにはビールよりもソジュが合うんだな。

翌日は市内をうろうろ。
まず、朝ごはんはホテルのそばにある「故郷食堂(コヒャンシュクタン)」で「テンジャンチゲ」。朝からたくさん食べるのがボクの基本。
昨日はあんなに晴れ上がったいい天気だったのに、どんより曇って蒸し暑い。。大きい台風が近づいているらしい。明日は仁川(インチョン)からフェリーなのに大丈夫なのかなぁ。
何をするわけではなく、うろうろ、ぶらぶらしてソウルの街で一日を過ごす。仁寺洞(インサドン)はまだ道路工事をしている。
夕食はシンチョンで「ブテチゲ(部隊鍋)」。熱いチゲにはビールが良く合う。一人ではちょっと入りにくかったけど、入ってしまえばそんなに気にならない。